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シキザクラ

写真:シキザクラ(四季桜)(筆者撮影)

 

節気は霜降(そうこう)を過ぎ、もうすぐ立冬、いよいよ冬が始まります。

「もう冬か~。そろそろ鉢花の霜対策をしておかないとね」

そうですね。この時期気温が急降下するので、熱帯性種など低温に弱い植物は温室やお部屋に取り込まなくてはいけません。さらに、耐寒性のあるものでも、霜が当たると花や葉にシミができて観賞価値が下がってしまうものも少なくないので、それらは軒下や棚下に移動したほうが良いでしょうね。

「冬になっちゃったから、これからはお花を見に行けないわね~。」

 いえいえ、そんなことはありませんよ。紅葉も立冬からが見頃ですし、四季桜のように、これから見頃になるサクラもありますよ!

「あ、それサクラのお話に出てきたあれね?」

 はい、その通りです。それでは今回はシキザクラについてお話をさせていただきます。

 シキザクラは、エドヒガンとマメザクラが交雑した種、いわゆるコヒガンという品種に準ずるサクラの品種です。シキザクラの特徴は春と秋の二季に咲き、春より秋のほうが花をたくさんつけるところです。

「うん?四季桜だけど二季なわけ?」

はい、植物の場合、春と秋の二季に咲くものはたいてい「四季咲き」と表現されるので、この辺りはご容赦ください。

シキザクラで有名なのは、以前にもご紹介しました愛知県豊田市の小原地区です。地区内の山の斜面や河原一面にシキザクラが植えられ、その本数は10,000本前後になります。以前は若木であった木もだんだんと成長し、年を経るごとに林が充実しているようです。

「へぇ!で、どうしてここでシキザクラが増えたわけ?」

 これについては、豊田市小原観光協会のHPに「小原の四季桜は、豊田市小原北町の藤本玄碩(ふじもとげんせき)という医師が文政年間の始めに名古屋方面から苗を求めて、植えたのが親木となって、広まった」と紹介されています。HPには、さらに具体的に歴史や逸話が紹介されているので、ぜひご覧ください。

豊田市小原観光協会

小原の四季桜は、例年11月中旬から下旬が見頃です。ピーク時には付近一帯が桜色に染まり、その合間にモミジの紅葉やイチョウの黄葉が浮き上がって見えるという幻想的な景色が広がっています。

開花時期には「小原四季桜まつり」も開催され、海外旅行者も含め多くの花見客で溢れますが、このような風景を見られるところはそうそうないので、お時間があればどうぞお出かけくださ~い!

 

執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦