写真:ハマナスの花(とっとり花回廊にて筆者撮影)

小満(しょうまん)芒種(ぼうしゅ)と夏も深まってまいりました。気象情報を見ると全国に真夏日を観測した地点がどんどん増えており、まだ夏日に達していないのは北海道の北部くらいになってしまいました。

「うん。今年は知床の流氷も4月下旬には消えてしまったようだし、北海道の春の風物詩を味わえる期間もだんだん短くなってますな~」

そうですね。ところで流氷と聞くと、私がいつも思い出すのはこの歌、

「♬流氷とけて~ 春風吹いて~」ではじまり「ハマナス揺れる~ 宗谷(そうや)の岬~♬」です。

「ダ・カーポの宗谷岬ね?なつかし~!」

はい、地元が北海道でないひとでも郷愁を感じる明るさと切なさが入りまじったとても素敵な楽曲ですね。ところで、ここに登場するハマナスというお花、みなさんはご存じですか?

「見たことあるはずけど、え~っと、どんなんでしたかね?」

「濃いピンクの綺麗な花よね?時々公園の花壇で見かけますわ!」

はい、濃いピンクの他、薄桃色や白いものもありますよ。ハマナスは、ロシア南東から中国東北、朝鮮半島、および日本の沿岸部に原生地があるバラ科バラ属に含まれる種です。ちなみに中国ではハマナスは近縁である小輪多花性のバラと一まとめにして玫瑰(メイグイ)と呼ばれています。

ハマナスの種子は冬の低温にあたり、かつ海水に長く浸ることによって発芽しやすくなります。したがって、種子が海沿いに移動し、生息域をひろげやすいように海岸沿いで生息しています。

「これってハマユウと同じよね!」

お、わかってますね、その通り!ハマユウは暖流に乗って北上して来た南国の花。ハマナスは寒流に乗って南下してきた北国の花です。

「ハマナスもハマユウも浜辺に生えているから浜・・ってわけね?」

まさにそういうことですね。ハマナスはちょうど今が最盛期で、これから7月にかけて見ることができます。公園などで見かけたら近寄ってご観賞いただくと、とても良い香りがしますよ。自生のものでは鳥取県の大山町松河原(だいせんちょうまつかわら)の海岸を南限にして、北海道までの間に群生地が点在しています。さらに北海道まで行けばハマナスの名所があちこちにあるので、この時季北海道にお出かけの方はついでにハマナスの生息地まで足を延ばすのも一興ですよ~!

 

YouTube動画(お花の歳時記)

 

執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦