

写真1:自生保護区のナガバノイシモチソウ
写真2:昆虫を捕獲したナガバノイシモチソウ
(豊明市小廻間にて早川利之氏撮影)
節気は大暑を過ぎ、猛暑の日々が続いています。それにしても、年々夏の暑さは増しているようで、それまでは30℃以上をまとめて「真夏日」と呼んでいたのが、平成19年からは35℃以上の日を「猛暑日」と呼び、今年、令和8年からはついに40℃以上の日を指す「酷暑日」という名称が作られてしまいました。
「そうそう、酷暑なんて聞くと、それだけで汗が出て来そ~う!」
本当ですね。この暑さではお花を見に出かけるだけでも十分な熱中症対策が必要です。
という状況なので、この時季になると、お花、特に鉢花の売上は急激に減少しますが、それとは対照的に需要が高まるのが食虫植物です。
食虫植物は、文字通り虫を食べる被子植物の総称で、光合成はするものの、それでは足らない分の栄養を、捕獲した昆虫から得ています。日本にもいくつかの食虫植物が自生していますが、今回はその中から私の地元、豊明市にも自生しているナガバノイシモチソウを紹介させていただきます。
ナガバノイシモチソウは、モウセンゴケ科モウセンゴケ属の一種で、アフリカ東部からユーラシア大陸南部、東アジア、オセアニアまで広く分布しています。
太平洋戦争前までは、東海をはじめ関東、九州他、全国の地域に群生地があったことが記録されています。
しかし、日本の経済成長に伴う用地開発が進む中、低湿地の多くが減少し、それによってナガバノイシモチソウの生息地も失われていきました。
「そうなんだ~。知らない世界で、食虫植物の自然も失われていたんですね。」
はい。これに限ったことではありませんが、残念ながらナガバノイシモチソウも絶滅危惧種に指定されています。今ではこれを見られる場所はとても少なくなってしまいましたが、いくつかの地域では地元自治体などの保全活動で維持されています。
たまに酷暑も挟む猛暑が続きますが、機会があればナガバノイシモチソウの自生地を訪ね、どうぞ、その保全に努力している皆さんにエールを送っていただけますと幸いです。
では、また~!
YouTube動画「お花の歳時記」
執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦