ヒメジャノメ~小さな目玉模様を持つ意味~

ヒメジャノメは5~6月、7~8月、9~11月の年3回発生するチョウです。写真では後翅(こうし)が大きく破れ(上写真の丸印)、目玉模様(下写真の矢印)周辺が欠けているのがわかります。これは九死に一生を得た証拠となる傷跡で、ビークマークと呼ばれ、何かについばまれた傷跡です。
チョウの外敵には鳥やトカゲなどがいます。これらの外敵が獲物を襲うとき、目の位置、すなわち頭の位置を意識して攻撃することが知られています。頭を狙う理由は、獲物に致命傷を与えやすいだけでなく、逃げる方向が予測でき、先回りして捕獲しやすいなどのメリットがあるためです。これにより、外敵から見て獲物の目に見える小さな目玉模様は、敵に頭の位置をわかりづらくさせる効果や、攻撃をそらす役割があると考えられています。致命傷とならない翅(はね)の目玉模様が破れても、生き延びられるからです。このような模様を持つ市内に生息するチョウは他にもヒメウラナミジャノメなどがいます。
豊明市史(自然) 執筆員 吉鶴靖則
広報とよあけ 令和8年10月号 とよあけの自然掲載