近年よく目立つようになったセイヨウオオバコ

セイヨウオオバコは、オオバコ科オオバコ属に分類される植物です。和名のオニオオバコですが、日本に自生するオオバコより大形です。原産地はヨーロッパとアジア北部、アジア中央部の大部分です。
日本では北海道から沖縄まで移入分布しています。
セイヨウオオバコは多年生の草本で、ロゼット状に葉をつけます。花は穂状花序で、花の色は緑がかった茶色。各花は紫色のおしベを持ち、花茎は直立し、長さは70cm程度になります。
土壌の貧弱な道端や踏み付けの多いところでも生育します。世界各国で帰化し、地域によっては侵略的外来種として扱われています。
オオバコ属植物の種子は水に濡れると、粘着性のゼリー物質を出します。水に濡れると膨脹して細胞壁を破壊し、ゼリー物質となって細胞外に放出されます。これらは、発芽に必要な水の保持を図ると同時に、ゼリー物質の粘性によって靴底などに付着するのに役立っており、踏まれて分布を広げます。
豊明市史(自然)編集委員 小笠原 昇一(広報とよあけ 令和5年8月号 とよあけの自然掲載)