クマバチ(キムネクマバチ)~刺すのはメスだけです~

 

クマバチ写真

 4月下旬ぐらいから、雑木林の縁で黒色と黄色の模様の大きなハチが飛び回るようになります。同じような所を行き来していれば、それはクマバチのオスです。行き来している所はメスを得るための縄張りです。縄張りを守るためには、同種のクマバチどころか、チョウなどの他の昆虫、ときにスズメなどの小鳥も追い払おうと飛んでいきます。

 クマバチは2cmを超える大きさと、縄張りを行き来する姿が目立つことから、よく凶暴で刺されるのが怖いハチと思われています。ですが、実はハチが刺す毒針は産卵管が変化したものですから、当然、産卵するメスしか毒針は持っていません。したがって、縄張りを守っているオスには刺される心配がなく、怖がる必要はありません。メスも温厚な性質で刺す機会は少ないですが、手づかみはさすがに危険です。クマバチはオスとメスが顔で区別できますので、花に来ている場合は顔を見て、オスでしたら近くで観察するとよいでしよう。

 

豊明市史(自然)執筆員 吉鶴 靖則(広報とよあけ 令和5年4月号 とよあけの自然掲載)