アカウロコゴケ~冬になると赤味がかった色に変色するから~

アカウロコゴケの茎の一部と葉緑部の細胞の図アカウロコゴケ 葉の細胞の拡大写真

 アカウロコゴケは、ツボミゴケ科に属する小型のタイ類(苔類)で湿った土壌や岩上に張り付くように群生しています。コケは葉緑体をもち、光合成をおこなって生きる植物の仲間で、蘚苔類(せんたいるい)と呼ばれるグループに分類されます。

 蘚苔類は大きく蘚類・苔類・ツノゴケ類の3グループに分けられ、皆さんはコケは小さくわからないという方が多いと思います。蘚類は茎と葉のように茎葉体をもち、立ち上がる種が多く、葉に中肋(ちゅうろく)があり、苔類は平たく葉状体があります。苔類は細胞の中に葉緑体以外に油体があります。蘚苔類を調べる人は、採集する時に種類を決め、包む用紙にメモをします。さらに、種類の特徴を虫眼鏡(ルーペ)や顕微鏡で詳しく調ベます。豊明市内では若王子池の南西岸の湿った士上で採集し、場所と生育している状態を記録しました。顕微鏡で特色を観察して、種名を確定します。この作業を同定と言います。コケの研究者は、顕微鏡で葉、茎、仮根、細胞の様子などを、苔類の場合は複葉、細胞の中の油体などの特徴で名前を決めます。

 アカウロコゴケはツボミゴケ科に属し、細かな鱗片が重なったような状態で、緑色が冬に近づくと、赤味を帯びた色になります。茎は長さ4~6mm、葉を含めた茎の幅は1mm弱で、わずかに分枝します。苔類は細胞に油体があり、1細胞に1つしかない細胞が多く、形で種類を決めることができます。

 

豊明市史 自然編集員 小笠原 昇一

広報とよあけ 令和8年8月号 とよあけの自然掲載