シャシャンボ~里山のブルーベリー~

シャシャンボ写真

 市内の雑木林には、白い花の咲く木が多く、このシャシャンボもその一つです。ツツジ科の常緑低木で、6~7月にスズランに似た釣鐘状の花が枝先に並んで咲きます。ひとつひとつの花は5mmほどの大きさしかありませんが、深緑色の葉とのコントラストでとても目立ちます。

 秋になると、白い粉をふいた直径5mm程の丸い紫黒色の果実が実ります。写真からおわかりのようにこの実はブルーベリーによく似ています。ともにツツジ科スノキ属に分類される近縁種なのです。そしてブルーベリー同様シャシャンボの実は食べられますので、かつて野山を遊び場所にしていた年配の方々は食べた経験がおありのことと思います。二村山の自然観察会でも時期になるとシャシャンボの実を摘んで賞味し、素朴な里山の味覚を楽しんでいます。

 シャシャンボと出会うには、本種が好む日当たりが良い明るい林縁を探すのがお勧めです。林内にもありますが、花のつく枝が光を求めて手の届かない高い場所にしかないことが多いようです。

 

豊明市史(自然)執筆員 浅野 守彦(広報とよあけ 令和5年6月号 とよあけの自然掲載)