カンムリカイツブリ~求愛行動を楽しめる鳥~

カンムリカイツブリ写真

 求愛行動はさまざまな鳥で見られますが、なかなかその瞬間に出合わないことも多いです。そんな求愛行動の観察にお勧めしたいのがカンムリカイツブリです。

 カンムリカイツブリは沿岸海域、川や河口、湖などで見られる冬鳥です。まとまった群れで見られることもありますが、一般的に渡来数は少なく、遠くに見える程度ということが多い鳥です。ところが豊明市には恵まれた探鳥地があり、沓掛町の勅使池では肉眼でも楽しめるほど近くで見ることができます。

 晩秋に飛来したときはモノトーン調の冬羽ですが、春先には色鮮やかな夏羽へと変化し、名前の由来となった頭部にある冠のような黒色の飾羽(かざりばね)や、頬(ほお)にえり巻き状の赤掲色の飾羽が見られるようになります。求愛行動はオスとメスが向かい合って飾羽を広げて、顔を左右に振ったり、上下に振ったり、首を伸ばしたり曲げたりします。他にも多様な求愛行動が楽しめますので、ぜひご覧ください。

豊明市史(自然)執筆員 吉鶴 靖則(広報とよあけ 令和7年3月号 とよあけの自然掲載)