コバノトンボソウ~トンボの姿を連想させる繊細なラン~

コバノトンボソウ(※Platanthera tipuloides Lindl. var. nipponica)は、ラン科ツレサギソウ属の小型の多年生草本で、草丈は20~40cmほどです。山野の日当たりのよい貧栄養の湿地や湿原などに自生しています。黄緑色をした小さな花を、茎の一方に偏って数個つけます。花期は6~7月ごろで、豊明市では大狭間湿地で見ることができますが、残念ながら一般公開時には見ることができません。花は長さが2.5cmほどと小さいですが、距(きょ:花の基部から伸びる細長い袋状の突起部分。はたらきとしては、花蜜を貯めていて、花のバランスをとることで風に吹かれても揺れを防ぐと考えられています。)が1.2~1.8cmと長く後方に跳ね上がっていて、トンボがとまっているような形に見えることが名前の由来です。茎は細く単一で直立しており、繊細なイメージです。葉は、長さが5cm前後、幅が0.3~1cm程度で、広線形(幅の狭い長楕円形)をしていて、茎を包み込むように下部に1枚つけます。なお、地域によっては、絶滅危惧種に指定されているところもあります。
(※システム上、イタリック体表記が使用できないため、ゴシック体を使用しています。)
文化財保護委員 鬼頭 邦英
広報とよあけ 令和8年4月号 とよあけの自然掲載