ヌマトラノオ~湿地を咲く白い清楚な花~

ヌマトラノオ(※Lysimachina fortunei Maxim.)は、サクラソウ科オカトラノオ属の多年生の湿性植物です。地中を横に這う地下茎から直立する茎を出し、草丈は40~70cm程度に成長します。花期は7~8月頃で、茎の先にまっすぐ伸びた10~20cmくらいの総状花序(花が房状にたくさんついた状態)をつけ、多数の小さい白い花が花序の基部から順に開花していきます。花弁は5枚で、花径は5~6mmと小さく、花柄を有しています。葉は互生し、細長い惰円形をしています。日当たりの良い湿地や池・沼・河川のほとりなどに自生していて、豊明市では、大狭間湿地やナガバノイシモチソウが生育する小廻間湿地で見ることができます。一般公開時には開花していますから、ぜひ見学に来てください。ヌマトラノオの名前は「湿地に生えるトラノオ(虎の尾)の意味で、「トラノオ」は花序の形状をトラの尻尾に例えたものです。なお、2~3年くらい前から、ヌマトラノオの花序が伸びず、花序の基部に2~3個程度の花しかつけない個体が目立つようになってきました。地球温暖化による夏季の酷暑が原因の一つかもしれません。ちなみに、よく似た植物にオカトラノオがあります。山野の日当たりの良いやや乾燥した草地で見かけます。オカトラノオもヌマトラノオと同様、白い小さな花を茎の先に総状につけますが、花序が直立しているヌマトラノオに対し、オカトラノオは花序がトラの尻尾のように垂れ下がっているのが特徴です。
(※システム上、イタリック体、ローマン体表記が使用できないため、ゴシック体を使用しています。)
文化財保護委員 鬼頭 邦英
広報とよあけ 令和8年9月号 とよあけの自然掲載