リュウキュウサンショウクイ~これから増えるのでしょうか~

二村山で2021年3月24日に記録されたリュウキュウサンショウクイのメスと思われる個体の写真

 鳥の中には分布域が狭くなる種もいれば、広くなる種もおり、リュウキュウサンショウクイはその動向が注目されている種です。近年分布域を拡大中のようで、北進や東進しているのではないかと注目されています。愛知県では2016年に豊田市岩倉町で初めて記録され、2019年の岡崎市扇子山が2例目、2021年の豊明市二村山が3例目の記録と思われます。

 よく似た鳥にはサンショウクイがおり、リュウキュウサンショウクイとのお互いの関係は別種ではなく、亜種という位置付けでした。しかし、最新の研究から今後は別種として扱われるようです。違いはサンショウクイでは背面の灰色が薄いのですが、リュウキュウサンショウクイでは非常に濃く、ときに黒く見えるほどです。ただし、個体差や雌雄差があり、見分けにくい場合があります。もう1つの特徴は初列風切の長さで、サンショウクイよりもリュウキュウサンショウクイの方が短いことがあげられます。

豊明市史(自然)執筆員 吉鶴 靖則(広報とよあけ 令和6年4月号 とよあけの自然掲載)