カキラン~6月の湿地を彩る野生ラン~

カキラン(※Epipactis thunbergii A.Gray)は、草丈が30~70cmほどの単子葉植物で、ラン科力キラン属の多年生草本です。山野の日当たりの良い湿地や湧き水の周辺などでよく見かけます。花期は豊明市の大狭間湿地で6月中旬~下旬です。梅雨の時期に緑色の湿地の中でとても目立つ存在です。花の色は黄色から橙褐色と生育場所により若干異なりますが、概ね熟れた柿の実の色に似ていることから、カキランと呼ばれています。花は、茎の上部に10個程度、総状につけ、下方から開花していきます。オレンジ色をした2cmほどの大きさの花は、半開し、唇弁(しんべん:下側にある唇状に拡がった大きな花弁)には、紅紫色の特徴的な模様があります。葉の長さは、7~10cm程度で縦の葉脈がはっきりして、形は先がとがった狭卵形で、互生(葉が互い違いにつく)しており、上部にいくにつれ小さくなります。なお、茎の基部だけは、鮮やかな赤紫色をしています。
近年、開発による湿地の減少、湿地の乾燥化の進行、乱獲などによって減少が著しく、消滅した自生地も多く、レッドリストの指定を受けている地域も数多くあります。
(※システム上、イタリック体表記が使用できないため、ゴシック体を使用しています。)
文化財保護委員 鬼頭 邦英
広報とよあけ 令和8年3月号 とよあけの自然掲載