ホシミスジ~分布を北から拡大してきたチョウ~

昆虫の分布拡大要因のひとつには地球温暖化があります。ところがホシミスジの場合、三河の山間部から尾張の丘陵部や平野部方向へと逆方向に南下しているチョウとして知られています。温暖化のはずがむしろ暑い方へと北のチョウが進出しているという訳で、温暖化が原因の分布拡大ではありません。
生き物にはもともと生息できる許容範囲の温度の地域でも、別の要因で生息できていない種がいます。そのひとつは幼虫が食べる植物、食草の有無です。ホシミスジはユキヤナギという植物を食べるのですが、この植物が各地で植栽されるにつれ、徐々に分布を拡大したようです。
ホシミスジが市内で安定して発生する場所でもユキヤナギの植栽があり、沓掛町の地蔵池周辺で局地的に見られます。まれにユキヤナギがないところでも見かけますが、このような遠出をした個体がたどり着いた先に食草があると、分布拡大へとつながっていくことになります。
豊明市史(自然)執筆員 吉鶴 靖則
広報とよあけ 令和8年7月号 とよあけの自然掲載