オオブタクサとブタクサハムシ~異郷の地にできた新たな食物連鎖~

オオブタクサはキク科の北アメリカ原産外来種で1952年に静岡県清水港と千葉県で発見されました。その後分布を全国に広げ、豊明市内でもあちこちの河川敷や荒地に見られます。肥沃な場所では高さ2m以上になり、8~10月にはその茎の頂きに薄緑色の長い穂状の花をつけます。風媒花であるため大量の花粉が風によって飛散し、同じ北アメリカ原産のブタクサとともに秋の花粉症の原因になっています。葉はてのひら状に3~5裂し、桑の葉に似ているとしてクワモドキの別名があります。
一方のブタクサハムシも北アメリカ原産の外来種で、オオブタクサに遅れること44年、1996年に千葉県・東京都などで発見されました。その後急速に分布を拡大し、豊明市では既に1999年に生息が確認されています。体長約4mmで薄茶色に黒い模様が目立ちます。同郷のオオブタクサを好んで食草にしており、6月には伸びた葉に食べ跡(食痕)があると近くにブタクサハムシが見つかります。
この両種の関係は、原産地での食物連鎖の再現と思いがちですが、実は日本でできあがった関係であることがわかっています。ブタクサハムシが北アメリカで主食としていた好物のブタクサは、食べつくされたせいか最近では見かけなくなりました。近縁のオオブタクサを我慢して食べるようになったのでしようか。
豊明市史(自然)執筆員 浅野 守彦
広報とよあけ 令和8年6月号 とよあけの自然掲載