とよあけの自然 

境川の魚たち ~アユも住む川~

境川の魚たちの画像

 

 昨年、一昨年の2か年で豊明市 の河川、ため池に生息する魚類を調査しました。その結果、22種類が確認でき、なかでも20種類が見つかった境川は、市内では魚の多い水域です。
 最も多いのはオイカワです。流れが比較的速くて砂利が多い浅瀬を好み、付着藻類(そうるい)などを餌(えさ)にして生活しています。オスは、初夏から夏の産卵期になると、婚姻色(こんいんしょく)といって、体の側面が鮮やかな赤色や青緑色を帯びるようになります。
 同様な浅瀬には「清流のシンボル」アユも生息しています。現在はまだ少数ですが、境川の水質改善とともに、生息数の増加が期待できるのではないでしょうか。
 この他、砂底で餌をあさるカマツカ、海から群で遡上(そじょう)してくるボラ、釣り人が狙う50センチを越えるコイ、流れの少ない浅い淀(よど)みに住むフナや各種の幼魚など、多くの魚が、種類や成長段階に応じた生活場所を境川に求めて暮らしています。
 また、元来国内には生息していなかったブラックバス、ブルーギル、カダヤシなどの外来種も見つかりました。これら外来種は、侵入による生態系への悪影響が心配されています。

 

市史執筆員 浅野 守彦