とよあけの自然 

市内で楽しむキノコ狩り ~イグチ科 ヤマドリタケモドキ~

 
市内で楽しむキノコ狩りの画像
 

 日本で美味(おい)しいキノコの両横綱はマツタケとクロカワ(ロウジ)ですが、西洋ではヤマドリタケ、セイヨウショウロ、アミガサタケ、タマゴタケ、アンズタケなどです。日本でもこの中のヤマドリタケが長野県で最近発見されましたが、これと非常によく似たヤマドリタケモドキが豊明市内にあります。
 このキノコはイグチの仲間のキノコで、マツタケやシイタケのように傘(かさ)の裏が襞(ひだ)ではなく、細かい穴がたくさんあいた淡黄色のカステラ状になっています。柄(え)はかたくてうすいピンク色で、同色でやや濃い網目模様が入っており、柄の内部の肉は白くて傷をつけても変色はしません。
 新鮮なヤマドリタケモドキの柄を輪切りにしてバターいためにした料理は、ホタテガイと錯覚するほどの味と食感を合わせ持ったイグチの仲間の最高級品です。これをゲットするには梅雨の頃から頻繁(ひんぱん)に山へ出かけるしかありません。
 ところで、イグチというのは傘が成長するにつれてイノシシの口先のように反(そ)り返るからなのです。

 

市史執筆員 三津井 宏