とよあけの自然 

雲を観察しよう ~明日の天気を占う~

 雲を観察しようの画像


 雲は大気現象を映す鏡と言われ、翌日や翌々日の天気を占う意味で重要です。観天望気(かんてん
ぼうき)の基本は、今も雲を観察することに始まります。真冬のころ、寒空にぽっかり浮かぶ雲はほとんどが積雲です。この雲が出ていれば、翌日は良い天気です。積雲の雲底(うんてい)がそろっているのは地表面から上空に上がるほど気温が低くなっていて、空気中の水蒸気が一定の高さで過飽和になり雲を生じているからです。秋のころ、キラキラと西空に輝くうろこ雲は巻積雲です。この雲を見ると、翌日の晴天が約束されたような印象を受けますが、実際には巻積雲の出現は低気圧の接近を示していて、2~3日後に雨が降ります。モコモコと大粒のかたまりが空いっぱいに広がってきたら、天気のくずれは速く、このときの雲は高積雲です。レンズ状の層積雲が出ているときは上空で強い風が吹いていることを示しているし、早朝に出る霧は晴天を告げる層雲です。このほか乱積雲積乱雲などが雨と結びつきが強いことはよく知られています。
 このように、雲の名前と天気の変化のしくみを知ると、空を見上げるのが楽しくなります。

 

市史編集委員 森 勇一