とよあけの自然 

カエルの合唱 ~水田に響く蛙の歌~

カエルの合唱

  レンゲ、タネツケバナ、オオジシバリなど春の花が可憐さを競った春の水田は、しろかきを境にカエルの合唱のステージへと変わります。
 市内で普通なのはアマガエルとヌマガエルの二種類。アマガエルは緑色で3センチくらいの可愛らしいカエルで、梅雨空の日に庭から聞こえる「クワックワッ…」という大きな声で知られています。しかし、何と言っても本番は夜の水田で、何匹かが大声で鳴き交わしています。
 ヌマガエルはちょっと大きな4センチくらいの目立たないカエルで、灰褐色の体に濃褐色の斑点といぼがあります。鳴き声には「ゲッ、ゲッ、…」「ゲコッ、ゲコッ、…」あるいは「キョーッ、キョーッ」といくつかの声があり、アマガエルに負けないくらいの大声で鳴きます。
 広い水田地帯では数の減ったトノサマガエルの「ケロロロロッ、…」や、時には一妻多夫の水鳥タマシギの「コーン、コーン…」も聞こえ、田植えの終わった夜の田にカエルたちの合唱が響きます。

 

市史執筆員 浅野 守彦