とよあけの自然 

淡水貝類 ~豊明の二枚貝~

淡水貝類の画像

 市内のため池や河川・用水路などに5科7種の淡水貝類を見つけることができます。海産貝類のように人目をひくものはありませんが、その中には人々の生活とかかわりの深いものもいます。それら身近な貝について簡単に触れてみます。一部河川やため池には、二枚貝のドブガイやマシジミが僅(わずか)ですが生息しています。
 ドブガイは、ため池や河川の底の砂や泥の中にすみ、プランクトンを餌としています。大きいものは殻長(かくちょう)が12~14センチもあります。幼生(ようせい)はタナゴなどの淡水魚に寄生し、またタナゴは成貝のえらに産卵します。人々は古くからこのドブガイを食用にしたりニワトリの餌としてきました。
 マシジミは、水のきれいな砂の多い所にすみ、水が汚れてくると姿を消してしまいます。殻長は3センチ程になります。卵胎生(らんたいせい)で生まれるとすぐ水底の砂の多い所で生活をします。幼貝(ようがい)は茶褐色で成長につれて黒っぽくなるものもあり、プランクトンを餌としています。この貝も古来から食用としてきました。
 巻貝のサカマキガイなど水質の汚いところに生息する貝が近年多く発生し、それに比して清水域に生息するマシジミなどが激減しています。

 

市史編集委員 浅井 常典