とよあけの自然 

カメムシ ~カメムシはくさいだけ?~

カバイロツルタケの画像

昆虫の中でもカメムシの仲間は、嫌われものの代表となっています。くさいと言っては嫌われますし、農業・漁業の害虫とされる種類も多いです。ただカメムシの仲間総てがくさいわけではありません。ハーブとして扱われる植物と、同じ香りを出す種類もいます。正体を明かさなければ、香水として売れそうな甘い香りの種類もいます。
 また、害虫ばかりでなく益虫のカメムシもいます。農作物を食べるハムシやガの幼虫などを食べる種類がいるのです。中には生物農薬と呼ばれる、天敵を利用して害虫を駆除するという研究がされている種類もあります。市内ではルリクチブトカメムシ、シロヘリクチブトカメムシなどが確認できました。
 他にも市内で見られた興味深い種類として、これがカブトムシの仲間なら人気が出そうな、カッコいい形のウシカメムシ。黒色やだいだい色が光り輝く、美しいオオキンカメムシ。ハートマークを模様に持ち、ほとんどの昆虫が行わない子育てをする、愛らしいエサキモンキツノカメムシなどです。ほんの少しだけカメムシの世界を紹介しましたが、多少は興味が持てたでしょうか。

 

市史執筆員 吉鶴 靖則