豊明市における宅地耐震化推進事業について
平成27年7月17日公表
令和6年4月1日修正記載
平成7年1月の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)や以降の大規模な地震で、「大規模盛土造成地」(※1)において、地盤の「滑動崩落」(※2)による被害が多発したため、国は宅地の安全性を確保することを目的と して、平成18年4月に宅地造成等規制法の一部を改正し、大地震時に大規模盛土造成地の滑動崩落等による被害を防止するため、宅地耐震化推進事業を創設しました。
これに伴い、実施された大規模盛土造成地の抽出(第一次スクリーニング)及びその優先度評価( 第二次スクリーニング計画)によって、豊明市内には谷埋め型大規模盛土造成地が50か所あることが確認されました。(腹つけ型大規模盛土造成地につきましては確認されませんでした。)
大地震時に大きな被害が生じるおそれのある盛土造成地は、過去の地震時の被害事例から、以下のいずれかの要件に該当するものを大規模盛土造成地(※1)として位置付けています。
豊明市の場合は、調査の結果、全て下記左図の「谷埋め型」であるという結果です。
地震発生時の滑動崩落とは(国土交通省HP掲載パンフレットより)
滑動崩落(※2)とは、地震力及び盛土の自重による盛土の滑る力(下図青矢印)が、その滑り面(下図青破線)に対する最大抵抗摩擦力その他の抵抗力(赤矢印)を上回り、盛土の地滑り的変動が生じることです(国土交通省HPより)。
調査方法は、第一次スクリーニング(大規模盛土造成地の抽出)であり、おおよその分布であります。
なお、豊明市においては、昭和37年及び昭和45年の地形図に、平成21年の地形図を重ね合わせて大規模な盛土造成地を抽出したものであり、昭和37年の地形図作成以前に盛土に改変されているものは考慮されていません。
豊明市大規模盛土造成地変動予測調査(第二次スクリーニング計画の策定)
平成27年度に実施した第一次スクリーニングにおいて、抽出された大規模盛土造成地50か所を対象に、「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドラインおよび同解説」(国土交通省:平成27年)に基づき、地形条件や地盤情報などの地域特性を踏まえ、令和3年度に第二次スクリーニング計画を策定しました。
◆現地踏査で調査した項目のうち優先度の評価に用いる指標
(1)盛土および擁壁の形状と構造
(2)宅地地盤・擁壁・のり面の変状の有無
(3)地下水の有無
(4)盛土下の不安定な土層の有無
◆基礎資料で整理した項目のうち優先度の評価に用いる指標
(1)造成年代
(2)変動確率
以上の評価手法を用いて、優先度評価を行いました。優先度評価の結果、早期に第二次スクリーニングを実施すべき盛土は、ありませんでした。
なお、第一次スクリーニングの大規模盛土造成地の抽出で確認された箇所や第二次スクリーニング計画の優先度評価の結果が、必ずしも地震時に被害が発生して危険という訳ではありません。今後の第二次スクリーニングで大規模盛土ごとの地震時の安定性を確認していく予定です。
優先度評価の結果から第二次スクリーニング実施(安全性の把握)について(令和6年度以降)
第二次スクリーニング計画の優先度評価より、市内で最も調査優先度が高い大規模盛土造成地に対して土質ボーリングや地下水位測定等の地盤調査、安定計算を実施し、当該大規模盛土造成地における地震時の滑動崩落に対する安全を確認する予定です。他の大規模盛土造成地については、定期的な経過観察を実施することを検討しています。
参考資料
【本市の予測震度(愛知県防災会議が示している「理論上最大モデルの震度」)より】