令和元年6月定例月議会の開会に当たりまして、今後4年間の市政運営に関する私の所信の一端を申し上げて、議員の皆様、市民の皆様方のご理解とご協力をお願いいたします。

 豊明市の抱える最大の問題は人口です。

 高齢化は進んでいます。このことそのものは市民の皆様が長生きされていることの証しであり、素晴らしいことです。

 将来の人口が減る、このことも、それだけとれば市街化区域の人口密度が高い当市においては問題ではありません。

 課題は、高齢化が進む一方で、そのご高齢の方々を支える現役世代=生産年齢人口が今のままでは減っていくことです。高齢化が進むと福祉関連の支出は増えていきます。実際、市の民生費は増える一方です。これを支える生産年齢人口が減れば、それは税収、特に個人市民税が減ることを意味します。

 このままでは市の将来の財政は厳しくなり、市民サービスを今より劣化させざるを得なくなります。

 これらの課題を解決する手段として、豊明市政はこれまでの4年間同様、今後も次の3つの柱を中心に進めていきます。

 第一に、健康長寿の取り組みをより一層進めます。健康な状態で長生きされる方が多くなることは何より、ご高齢の市民の皆様が幸せになれます。ご家族も幸せになれます。また、ご高齢の方々を支える若い世代の負担も和らぎます。ひいては、市の財政的負担も和らぎます。

 市民の皆様、区や町内会などの地域組織、市民団体、大学、高校、医師会、歯科医師会、薬剤師会、さらには介護を本業としない民間企業までが連携して街ぐるみで健康長寿に向けた取り組みを進める「豊明方式」をより一層進めます。

 第二に、企業誘致を進め、産業の活性化を進めます。現在、市内2カ所で産業用地の整備の検討を地権者の皆様と進め、うち1カ所は具体化しつつあります。民間企業の皆様からの進出希望も複数ございます。早期に企業誘致を実現することは、そこで働く方々に新たに市民になっていただくとともに、企業様からの固定資産税、法人市民税の増加につながります。西三河各市と比べ、企業からの法人市民税および固定資産税が十分でない当市の財政を長期的に大きく改善することができ、ひいては市民サービスの維持、改善を図ることができます。

 第三に、新たな住宅用地を確保し、若い世帯が新たに豊明市に定住いただくことを促進します。現在、市内2カ所で土地区画整理事業による宅地開発が計画され、市も後押ししてまいりました。うち1カ所は具体化が進み、もう1カ所も計画の目処がたってまいりました。

 豊明市内の住宅需要は高い一方、新たな住宅用地を十分供給できていないことが継続的な課題となっており、若い世帯の流出が流入を上回る状況が続いていました。新たな住宅用地の確保は、市内の生産年齢人口を一定程度維持できると同時に、税収面でも大きな効果を生み、さらには消費活動が活発な年齢層を確保することで市内経済の活性化にもつながります。

 これら3つの柱を進めるとともに、豊明市は第5次総合計画で示す「まちの未来像」=「みんなでつなぐ幸せのまち」を実現していくことが令和7年度までの現計画期間の最終目標となります。

 ご年配の方、子育て中の方、障がいのある方、性的少数者の方、外国籍の方、引きこもりが続いている方、あらゆる市民ひとり残らず、市民全員お一人おひとりが自らに誇りをもち、自らが歩みたい人生を選択でき、そして相手の方を思いやることのできる、笑顔あふれる社会を市民の皆様とともに、市民の皆様がお互い手をとりあい、連携するかたちでつくってまいります。

 今の小中学生、幼稚園児、保育園児、さらにはまだ生まれてもいない子どもたちが自らのまちに誇りをもてる豊明市を継承してまいります。

 これらの政策を実現するため、引き続き、われわれは市民第一、市役所一丸の精神を貫き、常に市民目線で市政にあたっていく覚悟です。なにとぞ、議員の皆様のご指導とご鞭撻を心よりお願い申し上げまして、所信表明といたします。