豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例案の可決について
本日、「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」案が豊明市議会で賛成多数により可決されました。条例は今年10月1日に施行されます。
本条例案可決に際して、市議会は附帯決議も可決しました。決議内容は⑴市民の自由と多様性の尊重、⑵誤解を招かない丁寧な説明と情報提供、⑶子ども、保護者との連携と支援、⑷継続的な市民からの意見集約の機会の確保、⑸条例の効果検証と見直しの仕組みの5項目からなります。
市は、これら市議会の附帯決議各項目を尊重して今後、啓発活動を進めます。
条例の最大の目的は市民の皆様の適切な睡眠時間の確保です。日本人は他国と比べてもともと睡眠時間が短いと長年指摘を受けています。厚生労働省は小学生9~12時間、中・高生8~10時間、成人も6~8時間の睡眠時間確保を推奨しています。特に子どもの場合には心身の成長に十分な睡眠時間が欠かせません。ですから、18歳未満のみ夜の使用を控えるべき時間の目安も条文化しているのです。スマホ等の過剰使用により適切な睡眠時間が削られていないかセルフチェックし、もし削られているようなら特に夜間の使用を少しでも抑えるよう、まずは自分のなかでルールを決めていただければ幸いです。
- 1日2時間以内は「余暇時間」が対象。あくまで目安。過剰使用にならないよう促すだけです。
条例について、全国的に賛否が起きたのはほとんどが第4条1項の「スマートフォン等の使用について、1日当たり2時間以内を目安とするよう・・・促す」に対してです。この2時間について誤った情報が拡散しました。正しくは「2時間以内」は余暇時間を対象とするもので、余暇時間は仕事や学習を除くのはもちろん、通勤通学時間等も除いた自由に使える時間帯です。また、あくまで2時間以内は目安にすぎず、睡眠時間や家族との会話等に支障がないのであれば、2時間が3時間、4時間になっても構わないと市は考えています。条例は何ら市民の皆様の権利を制限するものではなく、一律に1日2時間以内を市民の皆様に求めることはありません。
条例は「スマホ等は便利な機器であり、今や生活に欠かせない必需品」だと明記しています。ゲームやSNSの機能も何ら否定していません。趣味に興じたり、遠くにいる誰かと連絡をとったりするのにもスマホは便利なツールです。当然ですが、市民の皆様の生活に行政が踏み込むことや指導することもありません。ですから、「2時間を超えたらだめ」と一律に2時間を基準に互いを監視する必要は全くなく、また意味のないことですので控えてください。
- 家族間でルールをつくるときは、互いに納得できるルールを
条例はスマホ等の使用について子どもだけでなく、保護者も含めた家庭でのルールを決めるよう促すとしています。このルールづくりにあたり、例えば親が一方的に子どもに対してルールを押し付けても子どもは納得せず、ルールを守らないでしょう。「この範囲ならやれそう」と各自が納得でき、今より改善できそうなルールづくりに向けてまずは話し合ってください。
豊明市は何より、市民の皆様お一人おひとりに健やかに日々を過ごしていただきたいと願っています。
令和7年9月22日
豊明市長 小浮 正典
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