映画「折り梅」制作日記  2 (平成13年終了)

歓迎レセプションレポート(女優、原田美枝子の巻)

5月24日

 待ちに待った歓迎レセプション。あの原田美枝子さんに会える。思えば、日本映画をずっと見てきて、1970年代にデビューした原田さんはすごく存在感のある女優さんだった。「青春の殺人者」もそうだが、増村保造監督の「大地の子守歌」は、日本映画には珍しい自我を持ったヒロインを演じていた。その後、黒沢明監督の「乱」にも出演し、芸域は一層広がった。昨年、田中麗奈さんとの「はつ恋」では彼女の母親役を演じ、「愛を乞うひと」とは、まったく正反対の愛情豊かな母親像が印象的であった。
 そんな原田さん主演の映画を思い出しながら、開会を待っていた。すると会場後方の扉が開き、あの松井監督初作品「ユキエ」のナンバーにのって、松井久子監督を先頭に吉行和子さんと原田美枝子さんが入場してきた。いよいよレセプションの始まりだ。
 都築龍治市長、近藤弘子映画製作実行委員会長、松井久子監督のあいさつに続き、外山半三県議会議員の音頭で乾杯を行った。
 その後、原田さんと吉行さんがステージに立ち、トークショー風に話された。  「原田美枝子です。撮影で地方へ出かけるときは、いつもゲリラ的にさっと行って、さっと帰るので、このように市民の皆さんから歓迎されるのは、珍しいんです。このような会を催していただき感謝しています。この映画を見て、老人介護にかかわっている人たちが、良い映画だ、また頑張ろうという気持ちになってくだされば、と演じながら期待しています」
豊明の印象は?………

「気が散らなくて、とても静かな良い街だと思いました」

この映画の役柄で工夫していることは?………

 「誰にでも、起こり得る問題なので、説教臭くなく自然体で演じることを心掛けています」

原田美枝子さんは、十代でデビューして、年を重ねるほどに美しくなっていますが(場内より拍手)その秘訣は?………

「私が尊敬する先輩の方々は肉体を超え、精神的に輝いている。 肉体は、四十歳を境に下降していくが、精神ははどんどん研いでいくことができる。それを越えられた人は年齢を越すことができると思い、日々精進しています」と。  この後、近藤実行委員会長より原田さんに花束が送られた。女優原田美枝子さんの話を聞き、スクリーンの彼女が実像とピッタリ重なり合った印象をもった。 (女優、吉行和子の巻は次号でお伝えしたい)