~更年期症状とは~

「更年期症状」とは40歳代以降に性ホルモンの分泌が低下し、自律神経が乱れることによって現れるさまざまな体調不良や精神症状のことをいいます。その中でも日常生活に支障をきたすような状態を「更年期障害」といいます。

女性では半数近い人が、男性でも約15%の人が更年期による体調不良を感じています。

40歳を過ぎた後に、もともとお持ちの疾患とは関係なく不調を感じている方はぜひ参考にしてください。

 

~女性の更年期~

〈いつからが更年期?〉

 閉経前の5年間と閉経後の5年間を併せた10年間を「更年期」といいます。閉経前から徐々に女性ホルモンが減少し、自律神経が乱れることによってさまざまな不調が現れてきます。

 

〈どんな症状があるの?〉

 顔がほてる

 汗をかきやすい

 腰や手足が冷えやすい

 息切れ・動悸がする

 寝つきが悪い、または眠りが浅い

 怒りやすく、すぐイライラする

 気分が落ち込む

 疲れやすい

 肩こり・腰痛・手足の痛みがある

 

〈症状が現れた時にはどうするの?〉

 日常生活に支障をきたすようでしたら、医療機関への受診をお勧めします。迷うようでしたら、受診の基準としてSMIスコア(pdf 211KB)※を参考にしてみてください。スコアが50点以上になった場合には受診をお勧めします。

※SMIスコアとは女性の更年期症状の状況を示す指標です。SMIスコアは更年期における女性が医療機関を受診する目安などを一定の方法で評価したものであり、スコアの高さ自体が更年期障害を示すものではありません。

 

〈更年期症状と上手に付き合っていくためには…〉

 適度な運動とバランスの良い食事を心がけましょう。

 また、良質な睡眠をとり、ストレスをため込まないようにしましょう。

 特にビタミンEはホルモンの分泌を整える働きがあります。さらに、血流促進の働きがあるため冷えや肩こり、頭痛といった不調の緩和を期待できます。また、亜鉛はホルモンバランスを整える働きがあります。

 ビタミンE:ナッツ類

 亜鉛:貝類・ウナギ・豆類

~男性の更年期~

〈いつからが更年期?〉

 40歳以降に徐々に男性ホルモンが減少することによって女性の更年期症状と類似した症状が現れるといわれています。

女性と違い、閉経のようなはっきりとした節目がないため、老化の一部と認識されて気づかないこともあります。

 

〈どんな症状があるの?〉

 肉体的にも精神的にも調子が悪い

 関節や筋肉に痛みがある(腰痛・関節痛)

 発汗・のぼせ

 眠れない・眠りが浅い

 よく眠くなるし、しばしば疲れを感じる

 イライラする・不機嫌になる

 神経質になった

 不安になりやすい

 やる気がない・無気力

 髭の伸びが遅くなった

 性的能力の衰え

 

〈症状が現れた時にはどうするの?〉

 日常生活に支障をきたすようでしたら、医療機関への受診をお勧めします。迷うようでしたら、受診の基準としてAMSスコア(pdf 186KB)※を参考にしてみてください。スコアが37点以上になった場合には受診をお勧めします。

※AMSスコアとは男性の更年期症状の状況を示す指標です。AMSスコアは更年期における男性が医療機関を受診する目安などを一定の方法で評価したものであり、スコアの高さ自体が更年期障害を示すものではありません。

 

〈更年期症状と上手に付き合っていくためには…〉

 適度な運動とバランスの良い食事を心がけましょう。

 また、良質な睡眠をとり、ストレスをため込まないようにしましょう。

~さいごに~

男性・女性ともに更年期症状とその他の疾患(生活習慣病・うつ病)は類似した症状が多くあります。「更年期」と思い込んで病気を見逃さないため、迷った場合、症状が気になる場合にはまずかかりつけ医に相談しましょう。

 

♦参考♦

日本産婦人科学会「更年期障害」https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/

厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト「更年期 女性特有の健康課題」

https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/menopause.html