とよあけコラム花マルシェだいだいてのひらにしきぎにわたくようには雄花と雌花があり、それぞれ地味な花ですが、その雌花は秋にかけてに実を着けはじめ、今頃ニシキギを見に行くと、枝には朱色の美しい実がぶら下がっていることでしょう。「まあ！枝と花と実と。色々楽しめていいですわね！」はい。でも、ニシキギの本ほん領りょう発はっ揮きはこれからです。ニシキギの葉は気温の低下とともに紅葉が進んが混じり、その途中のグラデーションはまさに「錦木」と呼ぶにふさわしく、さらに紅葉が進むと真っ赤に染まります。紅葉の鮮やかさはモミジやドウダンツツジ、ナナカマドにも劣りません。 ニシキギは、日本原産種なので育てやすく、樹高も低いので、庭植えにも向いています。新しくお庭に木を植える場合は、その候補の一つにしていただくのもよいと思いますよ。ただし、枝にある翼はカミソリのような切れ味はないですが、手入れをするときに掌や袖そでをひっかけやすいので、ちょっと注意してくださいね！執筆／愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦紅こう葉ようの時期が迫ってきました。日本には紅こう葉ようがこうせい そろそろ節気は立冬を迎えます。「もう冬だって？全然寒くないのに〜」本当ですね。思えば、地球温暖化が叫ばれるようになって数十年、でいきます。はじめ葉の緑に、だんだんと橙やも桃も夏の最高気温は年々更新され、今年に至っては9月に入った後も40℃近くを記録する地域があるなど、俄かに秋、冬への移り変わりが遅くなっているように感じます。「うん、紅葉の時期も、以前は11月中旬だったけど、最近は11月下旬から年末だよね」まさに。そのイメージ、多くの方が感じておられることでしょうね。今年も美しい木がたくさんありますが、その一つにニシキギという種しゅがあります。で、中国広西チワン自治区を西南端として北東に向かって日本にまで分布しています。日本の在ざい来らい種 しゅであり北海道から九州までの広い範囲で見ることができ、地域地域でいろいろな呼び方がありますが、その多くはカミソリの木のように「カミソリ…」という名称です。これは枝の節と節の間に、薄い板状の托葉が立っており、これがカミソリの刃のように見えるからです。この托葉は特に「翼よく」と称し、一本の枝の四方に立っており、枝にいくつもある節と節の間に連なっています。このような枝の木は他にはないので、野山でニシキギを探し出すときに、それがニシキギであるかないかがすぐに判断できるんですね。センブリ〜 姿を消しゆく薬 草 〜せん ぶみつ せん ニシキギは初夏に薄緑色の花を着けます。花 ニシキギはニシキギ科ニシキギ属の落葉低木30 広報とよあけ | 2025.11 |ニシキギの枝の表面四方に立つ翼(撮影筆者)里山の晩秋を彩る可憐な花 草丈が低く生育地は限定される写真／筆者撮影 落葉樹の葉が赤や黄色に色づき始める11月、日当たりの良い草地にセンブリが開花します。古くから胃の運動や消化を活発にする健胃薬として有名な薬草で、布袋に入れて湯に入れエキスを振り出すのですが、千回振り出してもまだ苦いことから「千振り」の名前がついたと言われています。 花は白く2cmほどの大きさで、中心にあるめしべやそれを取り巻く蜜腺※が黄色っぽく、黒っぽいおしべの先端とともにアクセントになっています。苦い薬の花とはとても思えない清楚な美しさで、毎年出会いを楽しみにしています。 ただ残念なことに、市内にはセンブリはほとんど見られなくなってしまいました。丘陵地は樹木の繁茂により地面まで日が当たる場所が著しく減少し、日が当たる場所も背の高いササなどに覆われてしまい、草丈が10〜20cmほどのセンブリには生育できる場所がありません。名古屋市でも同様で、今年公表されたレッドデータブックには、現存する生育地はほとんどない、と記されています。 わずかに残っているセンブリの生育地を何とか残そう、広げようと毎年草を刈っていますがなかなか増えてくれません。春のスミレとともに里山をつつましく彩るこの花に、いつまでも豊明で可憐な花を咲かせてほしいと願っています。※蜜腺：蜜を分泌する小さな粒豊明市史（自然）執筆員 浅野 守彦と よあけの自 然
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