とよあけコラム花マルシェSolidagoかたきやく良い傾向ですね」ええ、是非とも日本古来の生態系に近づいてもらいたいものです。 ところで、セイタカアワダチソウの英名はです。「ソリダゴ?ソリダゴって、よく切花の束に入ってるやつじゃないの?」はい、そのソリダゴです。ただし、お店で売っているのは園芸種として改良したものですけどね。一説には、もともと日本へは観賞用の草花として渡来したとの説もあります。「観賞用で渡って来たものがこんなにも日本の生態系を変えてしまうなんて、怖いですわね〜」そうですね。とくに日本は島国のため、長い間海外の植物と交じり合うことなく生態系が維持された分、強力な外来種に侵入されると、短期間に生態系が変化しやすいようですね。 毎回お花を楽しんでいただく視点でお話してきましたが、セイタカアワダチソウばかりは敵役。どうぞその駆除にお時間を割いていただければ幸いでございます。執筆/愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦 秋分を越え、やっと過ごしやすい気候になってまいりました。振り返れば、今年の夏は早くから高温高湿度の日々が始まり、お庭での花のお手入れも大変でしたね。「本当、私の家では鉢植のほとんどが葉焼けしちゃって、木姿を整えるのに苦労してます。元気なのは雑草のセイタカアワダチソウだけですよ!」苦労されてますね〜、お疲れ様です。 セイタカアワダチソウの名が登場しましたが、セイタカアワダチソウはキク科アキノキリンソウ属に分類される種しゅで、北アメリカ原産の多年草です。日本への渡来ははっきりしていませんが、『牧野日本植物図鑑』のセイタカアワダチソウの項には「昭和の初めには既に帰化が知られている」とあることから、この頃には日本に入り、以降旺盛な繁殖力を持って日本中に広がったようです。セイタカアワダチソウは根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出し、自分だけ成長するという、真に恐ろしい機能を備えています。「何!それじゃあ、そのうち日本中がセイタカアワダチソウで覆われちゃうんじゃないの?」そうなんです。その懸念から昭和の末から駆除する指導がされ、平成16年には要注意外来生物に指定されています。しかし、近年の研究では、自らが出す有害物質がセイタカアワダチソウ自身の種子の発芽を抑制し、繁殖力が低下しているようで、日本在来のススキやオギがセイタカアワダチソウに奪われた生息地を奪還しているケースも見られるようです。「それはaltissima(ソリダゴアルティッシマ) せんたいるいおおはざ まこ はざ まぜつめつ き ぐ そのため一時は環境省のレッドデータブックで絶滅危惧水田に浮かぶイチョウウキゴケセイタカアワダチソウの原っぱ(☆ムヒカ☆/PIXTA)湿地に群生するミズゴケ貴 重なコケが あります!湿った場所で生育するミズゴケ、イチョウウキゴケ30 広報とよあけ | 2025.10 |写真/筆者撮影 第33回湿地サミットin豊明が2026年8月21日に予定されています。湿地とは湿地特有の動植物を育み、多様な動植物の生息・生育の場となっており、生物多様性の保全の上で極めて貴重な生態系です。豊明では、蘚苔類でも重要な種類が記録されています。大狭間湿地には、蘚類のオオミズゴケとイボミズゴケがあります。形態がよく似ていますが、確実な同定には顕微鏡的観察が必要になります。オオミズゴケは、他のミズゴケ属の種と同様に葉の貯水性が高いため、園芸用として利用され乱獲されることも多く、また土地開発や水質汚濁などもあって個体数は急速に減少しています。そのため、オオミズゴケを含めた湿地全体の保護に留意することが求められています。苔類のイチョウウキゴケはウキクサなどに混ざって池や水田の水面に浮遊して生育します。葉状体はイチョウのような形をとり、表面には浅い溝があり、葉状体の長さは10mm、幅は5mmほどであります。葉状体の内部には気室があり、水面に浮遊できるようになっています。日本では、水質汚濁や農薬の使用によって個体数が減少しています。I 類に指定されましたが、2007年度版のレッドリストでは準絶滅危惧とされました。 豊明では大狭間湿地の自生保護地内には、湿った環境に生育しているチャボホラゴケモドキ、ツクシウロコゴケ、ホソバミズゼニゴケなど、小□間湿地にはトサカゴケ、オオホウキゴケなどが見られます。豊明市史(自然)編集員 小笠原 昇一と よあけの自 然
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