広報とよあけ 令和7年9月1日号
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とよあけコラム花マルシェもおめし   じんじゃばなばなぼうがく べんつるわたくしきみどりいろしんちょくせんしゅうじゅ に いの いえ たかふじわらのいえたかかみ がみなづきばらえならごうちゃくいうことですが、はっきりとしたことはわかっていません。ばしながら白花を咲かせます。花は同時期に雄花と雌花に咲き分け、このうちの雌花の子房が後ほど袋状に膨らんでいきます。「フウセンカズラの袋はホウズキの袋にそっくりですね」はい、よく似ていますね。ただし、ホウズキの袋が萼弁どうしが合着した後に膨らんでできたもので、中には実があるのに対し、フウセンカズラの袋は子房の表皮が膨らんでできており、袋自体が実であって、中には種のみがある点が違っています。沿わせて遮光カーテン状に仕立てることもできます。今年はもう成長期が終わってしまいましたが、来年に緑のカーテンをお考えの時は、フウセンカズラも候補に入れてあげましょう。執筆/愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦 「風そよぐ〜ならの小川の〜夕暮れは〜そぎぞ夏の〜しるしなりける〜」(『新勅撰集』夏/百人一首98番、従二位家隆)。藤原家隆がこの歌を詠んだのは立秋の前日のこと。「そうなんですの?なんか涼しげなお歌のようですのに」そうですね。この歌は京都上賀茂神社で行われるみそぎの祭「六月祓」の様子を詠んだもので〈夕暮れも近づき、楢の木陰を流れる川のほとりはとても涼しく秋らしさ満点だけど、目の前では夏の行事の六月祓をしているから、がって、アサガオやゴーヤなどのように網などにまだ夏なんだよね〉といった感じの内容です。ちなみにこの日は現代の8月5〜6日にあたります。「えっ、8月5日の京都が涼しいってどういうこと〜?」不思議ですね〜。こういったところからも日本列島の温暖化が推し量れるのかもしれませんね。その日からさらにひと月を過ぎたものの、未だムッとした空気に包まれているこの頃、なかなかお花を楽しむ気分にもなれないのが正直なところでしょうか。「そうね〜。でも、私、この前、面白いお花を見かけましたのよ!」へぇ〜!どのような物でしょうか?「通りすがりのお庭の片隅に生えていたお花の蔓に、黄緑色の袋状の実がいくつもぶら下がっていましたの」あ、それはきっとフウセンカズラですね。 フウセンカズラはムクロジ科フウセンカズラ属の1種で、熱帯から亜熱帯にかけて広く分布する一・二年草です。日本への到来は明治以降とナガバノイシモチソウの葉に捕獲された昆虫〜 小 □ 間 湿 地 一 般 公 開での質 問 の 回 答  その ② 〜せんもうフウセンカズラの実と花(Yumi /PIXTA)ハエの仲間(ユスリカの仲間)バッタの仲間ハエの仲間(ハナアブの仲間)ハチの仲間カメムシの仲間コウチュウの仲間(ハナノミの仲間)ハエの仲間ハエの仲間カメムシの仲間シマウンカガの仲間ナガバノイシモチソウの腺毛の粘液に捕らえられた昆虫たち フウセンカズラは暑気に延びる蔓です。した み フウセンカズラは、夏から秋にかけて蔓を伸30 広報とよあけ | 2025.9 |こ はざ ま写真/筆者撮影 食虫植物であるナガバノイシモチソウの葉の腺毛につく黒い点々が昆虫などの小動物とすると、どんな種類が捕まえられているのでしょうか? この回答を得るには標本を作成するのが一番です。しかし、捕らえられた獲物を腺毛から外すと植物を痛めかねないので、獲物を撮影して種の同定を試みました。これが意外と難しく、肝心な特徴が腺毛の粘液にくっついて見られないものが大半でした。一番多かったのはハエの仲間で、中でもユスリカの仲間が多いことが分かりました。その他、じつに多様な昆虫類が獲物になっていました。 少しでも種が判明しないかと、ナガバノイシモチソウ自生地に飛来している昆虫たちを捕獲するワナをはり、データを補ってみることもしてみました。すると今度は普通の図鑑に掲載されていない小さな昆虫ばかりで、結局は何々の仲間までの同定で留まったものが続出しました。その道の専門家でないと、種までは分からないようです。豊明市史(自然)執筆員 吉鶴 靖則と よあけの自 然

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