広報とよあけ 令和6年12月1日号
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と花よあマけルシェコラム湿った水田や排水路に繁茂するヒレタゴボウ手での高たか橋はし市いち造ぞうは、カゲツの新芽が展開する前に、 全世界の経済を停滞させた「コロナ禍」と呼ばれた期間を過ぎ、そこから1年程たった令和6年は、個人投資ブームで湧いた年となりました。が咲くなんて、これはめでたいことです。」ほんと「いや〜、女房がわしの銀行預金を全部投資に回せってうるさかったな〜!」「まぁ!蓄えのおありになるお家はよろしいですわね、どこかにお金の生なる木でもないかしら?」ほんとにね〜!そんなものが有れば、私もお目にかかりたい・・・って実はあるんですね〜!「えっ?」はは、といっても枝に次々とお金が生るわけではないですけどね。 「金のなる木」というのは、ベンケイソウ科クラッスラ属に分類される園芸種「カゲツ」の商品名です。原産地はアフリカ南東部およびマダガスカルで、原種の和名はフチベニベンケイです。「へぇ、金のなる木は正式名ではないのね?」そう、カゲツの葉は多肉質で丸く、欧米では、これを硬貨に例えて「マネーツリー」と呼んでいます。この名称が昭和初期に日本に伝わり「金のなる木」になったと言われています。 しかし、この呼び名が世間に広まったのは昭和後期になってからでした。昭和50年代、愛知県作つく5円玉硬貨の穴に新芽の先を通し、その後新芽が展開すると、葉と葉の間に硬貨が存在するまま、もう硬貨を枝から取り外せなくなるという仕立を考案しました。これを一鉢の中にあるいくつかの枝に施すことによって、まさに金のなる木の様相を作り上げたのです。この商品が世間に流通し、「金のなる木」の呼称を決定付けることとなりました。ちなみに昭和後期時点では、日本に流通するカゲツの園芸種のほとんどは花の咲かないものでしたが、高橋市造はその後花付きの良い種を見出して商品化し、これが平成期以降国内に広まりました。「金のなる木に花ですね〜。ただし、花が咲くカゲツの葉は、金のなる木としてデビューした品種の葉に比べ、少々細く小さめで、硬貨の形っぽくはないですけどね。まぁ縁起を担かついで、金のなる木と花の咲く木の両方をお家におかれることをお勧めします。「あなた、なんか宣伝してない?」いや〜、もともとお花をお勧めするのが本職ですから!と、落ちのついたところで、今月はここまで。皆さん良いお年をお迎えください。執筆/愛知豊明花き流通協同組合   理事長 永田 晶彦とよあけの自然たごひれぼう34広報とよあけ| 2024.12 |「金のなる木」と花の咲くカゲツ「満天の星」(画像提供/高橋園芸)湿った排水路に繁茂するヒレタゴボウ黄色の花葉の付け根四角形の果実 ヒレタゴボウはアカバナ科チョウジタデ属の一年草で、別名「アメリカミズキンバイ」と呼ばれる北アメリカ原産の帰化植物です。日本には在来種でチョウジタデ(丁字蓼)と云う植物が存在しますが、タゴボウ(田牛蒡)とも呼ばれています。それによく似た黄色い花を咲かせ、葉の付け根が魚の「ヒレ」のような形になっていますので、「ヒレの付いたタゴボウ」から漢字では鰭田牛蒡と書きます。 草丈は50〜100cmで、葉はほぼ無柄で、やや光沢があります。花期は夏から秋にかけて、花は鮮やかな黄色の4弁花です。花柄は1〜4mm、花弁の長さは8〜12mmです。果実は長さ15mmほどの長楕円形で、4稜があって断面は四角形、その中には細かい種子がたくさんできます。 よく湿った水田や排水路にみられますが、翌年、大幅に増加します。1株で非常に多くの種子(千〜万単位とも)を生産し、除草剤の散布を徹底することが必須です。または、見つけたら抜き採ることで、来年の防除に備えないと、お米の収穫量が減ってしまいます!豊明市史(自然)編集員 小笠原 昇一写真/筆者撮影

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