広報とよあけ 令和5年4月1日号
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クマバチ(キムネクマバチ)~刺すのはメスだけです~写真は筆者撮影4月下旬ぐらいから、雑木林の縁で黒色と黄色の模様の大きなハチが飛び回るようになります。同じような所を行き来していれば、それはクマバチのオスです。行き来している所はメスを得るための縄張りです。縄張りを守るためには、同種のクマバチどころか、チョウなどの他の昆虫、ときにスズメなどの小鳥も追い払おうと飛んでいきます。クマバチは2㎝を超える大きさと、縄張りを行き来する姿が目立つことから、よく凶暴で刺されるのが怖いハチと思われています。ですが、実はハチが刺す毒針は産卵管が変化したものですから、当然、産卵するメスしか毒針は持っていません。したがって、縄張りを守っているオスには刺される心配がなく、怖がる必要はありません。メスも温厚な性質で刺す機会は少ないですが、手づかみはさすがに危険です。クマバチはオスとメスが顔で区別できますので、花に来ている場合は顔を見て、オスでしたら近くで観察するとよいでしょう。豊明市史(自然)執筆員吉鶴 靖則壇地錦抄巻三、夏なつき木の分ぶ、山さんしょう枡のるひの項に「櫯執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦花秘傳抄之二、花之部に櫯33 季節はあっという間に春の中ちゅうにち日を通り過ぎ、もう「清明」に。清明の初侯は「玄つばめきたる鳥至」(中国では春分の初侯)と、ツバメがわざわざ数千kmを飛んでまで渡ってくるほど過ごしやすい気候なんですね。「うん。暖かくなって、餌えさになる虫も増えるし、虫の着く花や葉も生長するからね。」そう、まさに清明は動植物が生き生きとし始める節気と言えそうですね。皆さんの周りでも、いろいろな花木が咲き始め、桜の名所はお花見で大賑わいのことでしょう。「ええ、私もお花見に行きましたわ!ところで、毎年お花見の頃から、たくさんの細い枝が伸びた背の低い木で、その長い枝の先端から下の方まで濃いピンクの花が桃みたいにビッシリと着いているのを見かけるけど、花は桃ではないし、何の花かご存じかしら???」あぁ、それはきっとハナズオウのことですね? ハナズオウは中国原産のマメ科ハナズオウ属の一種です。ご指摘の通り、この時季枝にたくさんの鮮やかな花を密に着けます。遠くから眺めると、あたかも梅や桃のようにも見えるけど、花はマメ科の例にもれず蝶ちょうけいか形花なので、近くで見ると、梅や桃との違いがはっきり分かります。花が終わるとだんだん葉が見え始めますが、葉の形はハート形です。また、葉とともにサヤができ、夏にはマメがぶら下がった姿になります。すはうのはな枋花の略説があることから、それ以前に日 ハナズオウの来歴については、貞じょうきょう享5年(1688)発刊の立りっかひでんしょうのに本へ到来していたことが判ります。また花かだんじきんしょうすわう枋 花色くれない、むらさきのようにてこまかなり・・・花ゆえにすおうの名を得たり・・・」とあり、この説明からハナズオウの名称は、別の植物であるスオウ(蘇芳)という木から採取される染料の色とハナズオウの花の紅色がよく似ていることから付けられたと解釈されています。「花はきれいだし、日本での歴史もあるのに、あまり名前を聞くことがないのが不思議!?」そうですね。ハナズオウは美しい花を咲かせるとともに、耐寒性・大暑性に優れており、やせた土地でも育つとても強い性質です。ですからもっと知られてもよさそうですが、やはりこの時季メジャーなサクラやツツジの陰に隠れてしまったんですかね~? ハナズオウにはこの他にも花が白いものや葉の赤いものなどもあります。咲いているのを見かけられたら、一度足を止めてじっくりご観賞いただくことをお勧めしますよ~!では、また。ビッシリ着いたハナズオウの花マサ/PIXTAオスは複眼の間が白メスは複眼の間が黒縄張りを飛ぶクマバチ(オス)  

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