29“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム日本ではとっくに過ぎてしまったお正月ですが、中国をはじめ太陰太陽暦を使う国のみなさんはこのあたりでお正月を迎えます。「うん。毎年この頃何億人が里帰り、合計何千億km!とかニュースでやってるよね。」ええ!まさに日本とはスケールの違う中国のお正月「春チュンジエ節」ですね。春節は暦の加減で年ごとに日を前後するので、毎年暦を確認しなければなりません。でも、その日は立春の前後16日以内の範囲に収まるので、「立春の何日前」って感じで理解しておくようです。立春は二十四節気の始まりであり、毎年2月4日前後1日以内になるので、覚えておき易いですね。今回はこの立春に咲く花、オウバイです。 オウバイは中国原産のモクセイ科ソケイ属の半はんつるせい蔓性落葉低木です。また、これと同属で常緑性の種しゅはウンナンオウバイといい、どちらも花はそっくりです。日本への到来は『花壇地錦抄』に「黄わうばいはながたうめのはな梅花形梅花のごとく黄色なり・・・」とあり、江戸時代初期には中国より渡って来たと考えられています。 中国ではオウバイが春節に咲くことから「迎インチュンフア春花」と呼び、古くから詩に詠われてきました。新春に唯一間に合う黄色の花ということで、とても珍重されたんですね。それでは唐代あの白居易が知人に贈った七言絶句をご紹介し、今回はこれにて失礼。「金ジンインツイウァダイチュンハン英翠萼帯春寒,黄フアンスーフアジョンヨウジーバン色花中有幾般。/憑ピンジュンユーシアンヨウレンダオ君輿向游人道,莫モーズオマンジンフアヤーンカン作蔓菁花眼看。」(初春の寒に包まれているものの、黄こがね金の花びらが緑りょくがく咢の上に開きました。黄色い花はありふれているけれども、その中でこの花は新春の先駆けに相違ありません。/あなた様から花見の客人の皆様にお伝えください、この花はそんじょそこらで見られるような代物ではないことを。)(『全唐詩』(中国康熙42年1703)七巻六冊「玩迎春花贈楊郎中」より、意訳:筆者) 執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦立春前に咲いたオウバイ筆者撮影(都市農業公園)写真は筆者撮影ツユクサ科の「マルバツユクサ」は、葉の幅が広く、葉先は「ツユクサ」のように尖とがりません。アジア、アフリカに自生し、現在は世界中に広く帰化しています。茎は地面を這はい、節から根を出しつつ枝分かれして広がります。茎の先端は斜上して、他の植物を覆って群落をつくります。茎は多肉で軟毛が生え、葉は先がやや尖った卵形で縁ふちが波打ち、全体的に軟毛が生え、基部は葉ようしょう鞘となって茎を包み、互生します。七~十月ごろ、2つ折りになった包葉の中に普通2つの蕾つぼみができ花を咲かせます。花弁は3個で、上部の2個は青く大きいですが、下部の1個は白くて小さく目立ちません。果実は蒴さくが果ですが、通常の結実の他、地下に閉※鎖花をつけ、自家受精して結実します。地中の花や果実は白っぽく、しっかりと発芽する能力を持っています。これは地上の茎が刈られてしまったり、動物などに食べられたりしても、根こそぎ抜かれない限り子孫を残すことができるという、生き残り作戦の一つです。※花冠の一部または全体が開かず、同一個体で自家受粉する状態の花豊明市史(自然)編集員小笠原昇一しつこく生き残れる マルバツユクサマルバツユクサ地下の閉鎖花
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