広報とよあけ 令和2年5月1日号
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33“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム 初夏に入り、サクラ、ハナミズキと繋がってきた街路樹の開花リレーも一休みとなりますが、これからはハナミズキの仲間のヤマボウシが咲き始めます。ヤマボウシは、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属に含まれる種です。日本ではヤマボウシよりも圧倒的にハナミズキの方を多く目にされると思いますが、ハナミズキが北アメリカ原産であるのに対し、ヤマボウシはれっきとした日本原産種で、5月から6月にかけて花を咲かせます。ただし、私たちが観賞する鮮やかに白い(たまにピンク)のは苞ほうと呼ぶ部位で、花はその中心で地味に咲いています。「なんかアジサイみたいね!」そうそう、アジサイのガクと花の関係に似てます。 ヤマボウシは、他のミズキの仲間の多くが苞や花を開いてから葉を伸ばすのに対し、葉と同時期に苞も開いていきます。これでは葉の中に苞が埋もれてしまいそうですが、苞が大きく色鮮やかなため、葉の緑を借景にして、他の種しゅより目立つほどです。苞の中心には小さい花の蕾つぼみが30個くらい球状に並び、苞が開ききってから咲き始めます。花は小さく色も地味なので、ちょっと見ただけでは気が付きません。しかし、ヤマボウシの花の存在はこれが果実になった時点で実感させられます。 花が終わると球状に並んだそれぞれの花の子房が実りはじめ、最終的に30個ほどある実すべてが合体して、あたかも一つの大きな果実になります。実は濃い橙だいだい色から朱色で、良く熟したものは甘いマンゴーのような味です。 ここで実の姿をお見せできないのが残念ですが、10月頃に実が熟すので、是非ご覧ください。機会があれば皆さんにも一度味わっていただきたいものです。執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦写真は筆者撮影近隣に住んでいる方が、夕暮れになるとマコモや水草の茂る休耕田からキョッキョッと鳴き声が聞かれますよと知らせてくれました。早速陽が沈む頃に現地へ出掛け暫く待つとキョッキョッと聞こえてきました。間違いなくヒクイナと確信しました。古来「門をたたくヒクイナの声」として知られている鳥です。体長は22.5㎝、頭は赤っぽく特に下面が赤味が強く脇腹と尻に白い縞しまがあり脚は赤い。同じクイナ科のバンも市内の池や水田でよく見かけます。バンは体長が32.5㎝で体は黒く額が赤で脇腹に白い白斑がありひと回り大きいのが特徴となっています。是非姿を見たいと翌日朝5時に車窓越しに休耕田と稲田の畦道を見つめ続けると、一瞬横切るヒクイナの姿が分かりました。写真を撮影しようと連日出掛け、道路わきにブラインドを張りシャッターチャンスを待ちました。この間に2羽が同時に姿を現したことから繁殖を期待しましたが、雛の姿を確認することは出来ませんでした。翌年に休耕田は耕されてしまいヒクイナの姿を見ることは出来ませんでした。豊明市史(自然)編集委員三浦馨ヒクイナ「緋水鶏」の      繁殖を期待して雌雄と思われるヒクイナヒクイナ(手前)とバン(奥)大阪府立花の文化園のヤマボウシ(筆者撮影)

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