広報とよあけ 令和2年1月1日号
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35“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム 令和の元年が明け、此こたび度は西暦が2020年と、またもや節目の年を迎えました。よく西暦と元号の変換に戸惑うことがありますが、年の一桁けたの数字は、令和も平成も西暦との差が2年(あるいは8年)なので、突き合わせの仕方が今まで通りで助かります。 さて、日本ではお正月に厄やくよ除けや縁えんぎもの起物として、松しょうちくばい竹梅の他、赤い実のついた枝や鉢を家の外や玄関に飾る習慣があります。「それ、南なんてん天でしょ?」お、正解です。南なんてん天の枝には大きめの赤い実が着くので、お正月にはその切り枝や盆栽がよく使われます。「万まんりょう両ってのもあるよ!」「千せんりょう両もよく使いますわ。」よくご存じですね。マンリョウは赤い実の着く鉢物の代表で、センリョウは枝物の代表です。 「ところで、万両、千両と言うからには百ひゃくりょう両もあるのかしら?」はい、あります。百両は万両の仲間でカラタチバナ(唐橘)という種の別名です。ちなみにこの品種は中国でも「百ひゃくりょうきん両金(バーイリァーンジン)」といいます。「百両があるなら十じゅうりょう両は?」あります。十両はヤブコウジ(藪柑子)の別名です。「さすがに一両ってのはないよね?」ふふふ、実はあるんです。一両はアリドオシとういう低木の別名です。「ほ~!全部あるんだね?まいりました。」はは。まあ後半は洒しゃれ落が高じてつけられた名称でしょうが、このように必要以上に突き詰めるのは日本式、日本の花文化も例外ではありませんね。 登場した植物は、どれも晩春から夏にかけて花が咲き、その花が年末に赤い実に代わります。陽があまり当たらず、やや湿った場所があれば、ご自宅でも栽培できますよ。縁起担ぎに一つ植えてみてはいかがでしょう?執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦写真は筆者撮影 北アメリカ原産の帰化植物で、ナス科ホオズキ属ホソバフウリンホオズキです。一九九〇年代の神奈川県からの報告が最初です。愛知県では、二〇〇五年ごろからダイズほ場や空地などで見られる帰化植物です。 ホオズキ類は生育が旺盛なため、ダイズに対して養分を奪ったり、成長が早く、光の遮へいにより生育不良を起こし、ダイズの収穫量を減らします。そのために、ダイズの畑に大きく成長したフウリンホオズキを草刈り機で刈っています。最近、このような農作業を見かけるようになりました。 茎は高さ三十~九十センチ、水分に富み、若い部分に細毛が散生するほかは無毛です。 葉は披ひしんけい針形で鋸きょしえん歯縁。白色の花の花かへん柄は長く、花はなどき時に長さ二十~三十センチ、「がく」が発達した袋は三十~五十ミリになります。花冠は白く、内側の基部は黄色です。萼がくは小さく、長さ二~三ミリ、裂片は長さ約一ミリ、花後に袋状の中に実を作ります。花期は八~十月ですが、黄色の花をつけるヒロハフウリンホオズキもあります。豊明市史(自然)編集委員小笠原 昇一生育が旺盛な帰化植物ホソバフウリンホオズキ農地や空き地で急増するホソバフウリンホオズキ初夏に地味な花を着けたセンリョウ(画像提供:愛知豊明花き流通協同組合)

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