広報とよあけ 令和元年11月1日号
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39“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム 今年は北京で国際園芸博覧会が開催されました。この博覧会はBIE(博覧会国際事務局)のA1類博覧会で、規模は以前日本で開催された大阪花博や愛・地球博に相当します。4月末から10月7日までの約半年間続いた博覧会の最後3週間を飾ったのはキクです。「えっ?菊は10月の終わり頃に咲くんじゃないの?」そうです。キク属の多くは10月中下旬に咲き始める秋ギクで、これを10月初旬に会期が終了する博覧会に展示するというのは本来無理があります。「で、なんで9月に展示できるワケ?」それは… 品種によって少々差はありますが、秋に咲くキクの多くは日照時間が13時間前後を切ると、それまでスイスイ伸びていた茎や枝の先にある芽が伸びるのをやめて、花はなめ芽に変化します。例えば東海地方なら8月末あたりの日照時間が13時間なので、この頃から芽が花芽に変化し始め、9月の末頃に蕾が見え始め、10月の末頃に開花といった具合です。 「それなら、暗あんまく幕で覆おおって真っ暗な時間を増やせば、早く咲くってことよね?」ご名答。秋ギクは日照時間を増減することで開花時期をずらすことができるので、ご推察のとおり遮しゃこう光により日照時間が13時間を切る時期を1ヶ月早めることで、9月に展示できたんですね。反対に日照時間を伸ばすと開花時期を遅らせることができるわけで、有名な渥美半島の電でんしょうぎく照菊は、本来一時期に咲いてしまうはずのキクを電照によって開花を長期に分散させて出荷してるわけです。光だけですべての開花時期を調整しているわけではありませんが、私たちが一年中キクを手に入れることができるのはこのおかげです。 愛知豊明花き流通協同組合は北京園芸博覧会事務局と中国菊花協会から依頼を受け、北京園芸博覧会において、豊明市で保存・育種した古典菊100種350鉢と菊人形を出展しました。その様子についてはまた別の機会にご報告申し上げたいと存じます。執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦写真は筆者撮影 クモの体サイズは大小さまざまである。アシダカグモは30㎜を超えるし、落ち葉の中に棲むサラグモの仲間は1㎜に満たない種もいる。建物の内外を好んで生活するチリグモも、体長約2㎜と小型である。その小ささから塵ちりと間違えられるので、チリグモと命名された。体形は扁平で、体色は黄褐色をしている。腹部は黒色と白色の斑点が多数あるが、肉眼では確かめにくく、虫眼鏡があれば便利である。壁面、鴨居、障子の桟さん、窓枠などの表面に10㎜程度の円形をした巣を作り、その中に潜んでいる。卵らんのう嚢もその中に作り、母グモは卵が孵化するまで見守る。 室内や台所にはカツオブシムシ類やチャタテムシ類など、衛生害虫と呼ばれている小さな昆虫も棲み付いている。巣からは四方に糸が引かれているので、それに獲物が触れると素早く飛び出して、糸でグルグル巻きにする。捕らえた獲物は巣に運び込んで食べる。 チリグモは巣に執着することなく、よく徘徊する。塵と間違えられて、掃除機で吸い込まれるのも仕方がない。豊明市史(自然)執筆員緒方 清人サチリグモ〜家屋に棲む微小なクモ〜巣内で卵嚢を見守る母グモ床を徘徊するチリグモ北京国際園芸博覧会の古典菊展示の様子(画像提供:愛知豊明花き流通協同組合)

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