広報とよあけ 令和元年7月1日号
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39“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム 夏の焼き付けるような日差しに「やくや藻もしお塩の身も焦がれつつ」な毎日ですが、就学者のみなさんにおかれましてはもうすぐ長い長い夏休みが待っています。もう旅行の計画をたてている人も多いと思いますが、日本の夏旅の候補には必ず「海」が持ち上がりますよね?「まあ、島国だからね」そうですね、たとえ山間部にお住まいの人でも気楽に海に行けるのは日本の国土の特色かもしれません。 さて、この時期海辺に行くと、ハマユウの花が咲き始めています。ハマユウは東南アジア原産のヒガンバナ科ハマオモト属の多年草で、日本では太平洋側の海岸線に広く分布しています。「海藻じゃないのにどうしてわざわざ海沿いで育っているのかね?」いいツッコミですね!ハマユウが海沿いに生息しているのには理由があるんです。ハマユウの種は海水中でも長期間生きていて、海流によって移動できます。漂着した浜辺で発芽・生息し、また種子ができると新たな浜辺を求め移動していきます。ハマユウは競争の激しい内陸を避け、しかも潮の流れによって分布域を広げるという特殊な能力を持っているんですね。 そういうわけで南方生まれのハマユウが、古くから日本に根を下ろしたのもうなずけるわけで『万葉集』巻四には柿かきのもとのひとまろ本人麻呂によって「三みくまのの熊野之 浦うらのはまゆふ乃濱木綿 百ももへなる重成 心こころはおもへと者難念 直ただにあはぬかも不相鴨」と歌われ、『源氏物語』にも「浜木綿ばかりの隔へだて、さしかくしつつ、なにくれと、もてなしまぎらわし給ふめるも、むべなりけり」と登場しています。「どういう内容ですの?」ごめんなさい、説明にはちょっと紙面が足りません。でも面白いのでぜひご自分で調べてみてください。ちょっとハマユウのイメージが変わると思います。それでは、今年の夏は、ハマユウ観賞もしてみましょう!執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦写真は筆者撮影 ヒバリはスズメよりやや大きく後頭に短い冠かんう羽があります。古くから洋の東西を問わず人々に親しまれてきました。「永き日も囀さえずりたらぬひばり哉」芭蕉 三月風のない穏やかな日和、沓掛町上高根の田んぼでピチピチチュク、ピーチリチー、ピーチリチーなど長く複雑な囀りをしながら、ゆっくり高度30メートル位まで舞い上がりました。そして、囀りを終えると垂直に降下して地上に降りました。その光景はまさにヘリコプターが上空で一時停止(ホバリング)しているよう、またエレベーターの上下降の様子によく似ていました。このようなヒバリの行動を見ていると人間が飛行機・ヘリコプター・エレベーターを考案した原点を観察したような気分になりました。ヒバリは抱卵育雛中親が巣より遠きところにて飛びあがり又は飛び降り密かに歩いて巣に帰り巣のありかを判らないように行動します。 私が子供の頃には、市内の田畑や境川でよく見かけましたが、近年、市街化が進みヒバリの姿は激減したように思います。市街化が進んでいる東京都などにおいては絶滅危惧種指定にしているようです。豊明市史(自然)執筆員三浦馨ヒバリ「雲雀」地上で囀っている姿西浦「万葉の小径」に咲くハマユウ(画像提供:西浦温泉 旬景浪漫 銀波荘)

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