広報とよあけ 令和元年6月1日号
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37“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム 節気は小しょうまん満、芒ぼうしゅ種と移り、さらに夏至に向かって日脚はピークを迎えます。これからやってくる梅雨と酷暑の前に、夏物の苗の植え付けやお庭の手入れをしっかりとやっておきたいところですが、今はバラやハナショウブが盛りとなるので、あちらこちらへとお花を眺めに出かけることも多くなりますね。 この時期出かけた先が水辺のあるところであれば、ハンゲショウを見ることがあります。「ハンゲショウって葉っぱが半分白くなるやつだよね!」ピンポーン、正解です。  ハンゲショウはドクダミ科ハンゲショウ属の一種で、中国の黄河・揚子江流域、ベトナム、フィリピン、日本の湿地帯に自生しており、葉の半分が白くなることから「片かたしろくさ白草」とも呼ばれています。古くは本ほんぞうわみょう草和名(延えんぎ喜年間901-923)にハンゲショウの中国名である「三サンバイツァーオ白草」の翻訳名称として、この時代のハンゲショウの通称「加かたしろくさ多之呂久佐」として登場しています。珍しくこの翻訳は間違っていませんでした。「ふふふ、今回ややこしいお話はなしでしたのね」ええ、残念ながら(笑)。 ハンゲショウを漢字で書くと「半夏生」または「半化粧」です。ちなみに、七しちじゅうにこう十二候のうち夏至の末候にあたる「半夏生」は「半はんげ夏が生はえる」ことから名づけられた名称ですが、この半夏とはカラスビシャク(烏柄杓)というサトイモ科ハンゲ属の一種を指します。したがって、七十二候の「半夏生」と植物の「半夏生」は本質的に関係ありませんのでご報告申し上げておきます。執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦白さが際立つハンゲショウ(画像提供:横浜イングリッシュガーデン)写真は筆者撮影 この昆虫、何の仲間と思いますか?黒色と黄色のしま模様。透き通る後こうし翅。体型こそ腰のくびれがありませんが、ハチに似ていると思いませんか?ちなみに昼間に飛び回る姿やその羽音、捕まえると腹を曲げて刺そうとする行動なども、この仲間はハチに似ているそうです。もちろん、ハチではないので刺されません。じつはこの昆虫、昼行性のガの仲間です。スカシバは透翅(すかしば)の意味で、姿形や習性をハチに似せる擬ぎたい態をしていると考えられています。 ヒメアトスカシバの幼虫はヘクソカズラという植物の茎に虫こぶをつくり、その中に隠れて生活しています。虫こぶは茎よりも太くなって目立ち、幼虫が見つけやすいことから、近縁種の幼虫には川釣りなどで利用されるものもいます。釣りエサのブドウムシやエビヅルムシがそれで、ブドウスカシバやムラサキスカシバの幼虫が利用されます。ガの仲間の幼虫には、害虫駆除を兼ねて、釣りエサに利用されてきた種もあります。豊明市史(自然)執筆員吉鶴靖則ヒメアトスカシバ~ハチに似て、チョウの    ように昼間飛ぶ昆虫~スカシバの仲間では見やすい種の一つ、ヒメアトスカシバ

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