広報とよあけ 平成31年4月1日号
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41“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム 春分を過ぎ春も深まってまいりました。満開の桜の下で友と酒を酌み交わしながら「桜が散ったら次はどの花で一杯かな~?」などと不謹慎にも花を酒の肴に例えてみたところ「決まってるでしょ。ほら、そこに今にも咲きそうな蕾がいっぱいあるじゃない!」と号令をかけた友人の指先を見れば、ツツジの生垣があるではありませんか。というわけで、今回はツツジについてお話したいと思います。ツツジは一般的にツツジ科ツツジ属のうち日本原産のヤマツツジの仲間とそこから育種された品種を指します。 ツツジの歴史は古く、万葉集第九巻に「細たくひれの比礼乃 鷺さぎさかやまの坂山白しろつつじ管自 吾われににほはね尓尼保波 妹いもにしめさむ尓示」と歌われています。「たくひれの?って?」ああ、これはツツジの花の白さを鷺の白さに掛けて、その美しさを恋人に伝えたいとの気持ちを歌ったんですね。 ところでこのツツジ。漢字で書くと「躑躅」ですが、これは奈良時代以前に中国より渡来した本草書(薬用博物の書)である『新しんしゅうほんぞう修本草』の第二巻に「羊ようてきちょく躑躅(ヤンズィーズィー)」とあるのを見た深ふかえのすけひと江輔仁が自作の本草書『本ほんぞうわみょう草和名』に転載する折、この名を誤って日本のヤマツツジの類に当てたことから始まったとか。 羊躑躅は今のシナレンゲツツジを指す固有名詞でツツジを表す漢字ではありません。レンゲツツジには強い毒性があります。古来躑てきちょく躅の漢字の意味は「躊ちゅうちょ躇する」で、毒のあるこの種の葉を羊が食べるのを躊躇することから付けられたようです。結果、日本のツツジは中国のツツジ属とは別の漢字を持つこととなりました。ちなみに中国ではツツジを「杜ほととぎす鵑(ドゥージュアン)」と表現します。「例にもれずツツジの命名もこんな感じだったんですね~!」はい、中国から日本への花の異文化屈折の歴史は古典落語にも引けを取りませんよ。 おっと、なんて言ってるうちに字数がいっぱい。「おいおい、ほとんど内容に花がないじゃん!」ごめんなさい、ツツジについてはさらなる機会を頂戴したく存じます。皆さん新年度もお花を楽しんでくださいね!執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦蒲郡クラシックホテルのツツジのガーデン(画像提供:愛知豊明花き流通協同組合)写真は筆者撮影す。その策さくてい定主旨を活かし豊明の自然をトンボの眼をとおしてまとめてみたいと思います。 市内には五いつつの丘陵地(南部丘陵地・榎山丘陵地・二村山丘陵地・坊主山丘陵地・切山丘陵地)とその間には河川とため池など、それぞれの特色を備えた水系が保存されています。そこには各々の水系に適したトンボの幼虫が生息しています。流水域にすむトンボ、止水域にすむトンボなどで、湿地・湿田・プール・水生植物の多いため池などトンボの幼虫の生息環境は多様性に富んでいます。市内で生まれ幼虫の時期を経て羽化、成虫として市内の大空を飛ひしょう翔します。市内には四~五年間幼虫で生息し羽化するトンボもいます。水系の変化はトンボの生死に関わる出来事です。「人と自然の共生」をめざして、市内の水環境の保存・保護に努めていきたいと思います。 ※今年も市内小学校の協力を得て、トンボ(幼虫)の救出作戦を六月上旬に予定しています。トンボの幼虫の飼育と羽化の観察を希望される方は生涯学習課市史編へんさんしつ纂室までおたずねください。豊明市史(自然)編集委員浅井常典 生物多様性条約第10回締約国際会議(COP10)が名古屋で開催され早や九年になります。その時の愛知県の主旨が「人と自然の共生をめざして」強調されたのがまだ昨日のように印象に残っていまハッチョウトンボ (大狭間湿地)オオヤマトンボ (濁池)コノシメトンボ(沓掛小プール)トンボから見た豊明の自然 その八~豊明の地形とトンボの棲み分け~

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