広報とよあけ 平成31年3月1日号
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27“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。つくしよそおととのすとよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム 日脚も日に日に延び、何となく春の足音も聞こえて来るようで、お花好きの人にとってはお庭に出られる日が待ち望まれるこの頃ですね。花木では梅、椿がピークを迎え、早咲きの桜ももう始まっています。そして、今年も中旬あたりからユキヤナギが咲き始めることでしょう。 ユキヤナギはバラ科シモツケ属の落葉低木で、東海道沿線では3月の中旬ごろから4月上旬あたりにかけて、真っ白な花を咲かせます。花一輪の径は1㎝にも満たないほど小さいけれど、咲く花の数は一枝でも数十輪で、その枝が柳の枝のようにたくさん伸びているので、一つの木に咲く花の数はとても数え切れるものではありません。立派なユキヤナギの木が満開になると、あたかもヤナギに雪が積もったかのように見えることから、この名がついたのでしょうね。ユキヤナギは、以前は中国から渡って来たものと思われていたのですが、近年は日本各地の山間渓谷で見かけられることから、日本にも自生していたとの説を唱える声が主流になりつつあります。『群ぐんしょるいじゅう書類従』(安永8年)の和歌の部に収められた『近おうみのみやすどころしゅうしうたあわせ江御息所周子歌合』(930年頃)には「いはやなぎ花色みれば山川の水のあやとぞあやまたれける」の歌が見られます。歌の冒頭にある「いはやなぎ(岩柳)」はその後の文献からユキヤナギを指していることがわかり、平安中期にはすでに庭木として植えられていたと考えられています。「う~ん?でも、この歌は中国に渡った人がその情景を詠んだとも解釈できるんじゃないの?」おっと、いいところ突いてますね!しかし、ユキヤナギの中国名には「珍ジェン珠ジュー花フア」をはじめいくつかの呼び名がありますが、今のところ「岩柳」の名称は見当たらないようなので、理屈としては成り立っているようです。 ユキヤナギは一般的に生垣として背が低く刈りこまれていることが多いですが、場所によっては深く刈りこまず、枝を長く、大きく育てているところがあります。そのような場所では本当に見事な雪の舞をみることができます。皆さん是非探し当てて楽しんでくださいね!執筆 愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦 クモは脱皮を繰り返して成長する。ジョロウグモを例にあげると、夏期に成体になり、雌は晩秋に産卵し一生を終える。卵は卵らんのう嚢内で越冬し、5〜6月に孵ふか化する。子グモは分散し個々に網を張り、脱皮を繰り返して成長する。脱皮回数は雌で8回、雄で7回である。しかし、多くのクモは何脱皮すれば成体になるかは分かっていない。 メガネヤチグモも同じだが、分かっているのは多くのクモとは逆に、秋季から翌年の春季まで成体が見られる。つまり、寒い季節に活発に活動するのである。体長は約12ミリで体色は茶褐色である。崖地のくぼみや、樹幹の裂け目等に不規則なシート状の網を張る。この仲間の網を棚網と呼んでいる。棚網にはトンネル状の出入り口があり、普段はその奥に潜んでいるので姿は見えないが、ダンゴムシやヤスデ等の徘徊性の小動物が網に触れると、その振動を感じ取り這い出る。捕らえた獲物は網の奥に運んで食べる。姿を見たい時は、小枝や草の茎等で軽く糸に触れて振動を与えるとよい。豊明市史(自然)執筆員緒方 清人崖地に張られたメガネヤチグモの不規則な棚網トンネル状の出入り口から這い出たメガネヤチグモメガネヤチグモ〜不規則な棚たなあみ網を張る〜見事な愛知県緑化センターの雪の舞(画像提供:愛知豊明花き流通協同組合)写真は筆者撮影

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