広報とよあけ 平成30年6月1日号

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41“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラムトンボから見た豊明の自然　その六〜最近のトンボ事情〜　最近豊明で見かけるトンボも以前と比べ種類も数も「あれっ」と一瞬思うことがあります。アカトンボ（アカネ属）を例に考えてみますと、秋の運動会の頃、校庭を多くのアカトンボが飛び交い、水田の稲穂の上に舞うアカトンボの姿をよく見かけたのは20年も前のことです。今では南方系のウスバキトンボのみが飛翔しています。ウスバキトンボは、最も普通に見られるトンボですが、意外と知られていません。アカトンボの仲間ではないが地域によってはアカトンボと呼ばれています。そこでここ数年ウスバキトンボ幼虫2000.9.21　新田町子持松ウスバキトンボ羽化2000.9.25　新田町子持松アカトンボの減少が気になる豊明で増えているウスバキトンボについて触れてみます。　ウスバキトンボ（薄羽黄蜻蛉）は海を渡ってやってくる南方系のトンボです。アキアカネより一回り大きく幼虫期間は１〜２か月で羽化します。（一年多世代）春から秋にかけて日本全国で見られます。お盆の頃に成虫がたくさん発生することから「精霊とんぼ」・「盆とんぼ」などと呼ばれています。ご先祖様の使いなので捕ってはいけないとの言い伝えがあります。日本へは海を渡ってきますが、寒くなると、越冬できず、成虫・幼虫すべて死滅してしまいます。23年ほど前に成虫（自然界）、幼虫（飼育）で調べてみましたが、成虫は11月下旬、ほとんど姿を消してしまいました。幼虫は水温が３℃〜４℃ですべて死滅してしまいました。ある機関誌で「温暖な地域ではプールで幼虫が生息しているのでは」という仮説を目にし、市内の小学校のプールで調べてみましたがウスバキトンボの幼虫は確認できませんでした。ちなみに日本では、沖縄・八重山諸島で幼虫の越冬が確認されています。遠く海を渡ってやってくるトンボの幼虫確認調査を継続したいと思います。豊明市史（自然）編集委員　　　　　　 　　浅井　常典うすしょうりょうぼんとんばきぼ　気が付けばとうに『立夏』を駆け抜けて、あたりは十分に夏模様です。夏に至ると北海道や高原以外の地域では観賞できる花の種類が段々減っていきます。「そんなぁ～、何か見頃の花があるでしょ？」おっと、失礼しました。冒頭から悲観的な表現をしてしまいましたね。大丈夫です。日本の花文化レベルは夏にひるむようなものではございません。　今回はアジサイについてお話させていただきましょう。アジサイは日本原産のガクアジサイが発展したものです。古くは『万葉集』巻二十4448番で橘たちばなのもろえ諸兄が「安あ治じ佐さ為いの　八重咲く如く　やつ代にを　いませわが背せ子こ見つつしのはむ」と歌っています。「どういう意味ですの？」これは橘諸兄が八重咲きのアジサイを眺めながら、その美しさを話相手の今後の繁栄に例えているんです。　ところでこのアジサイ、漢字で書くと『紫陽花』ですが、これは唐の白居易の詩に『紫陽花』と書いた花が登場したものを、十世紀その詩集を読んだ源みなもとのしたごう順がガクアジサイと思い込み、この漢字をガクアジサイにあてたのが始まりだとか。しかし、その後の研究で白居易が見た花はアジサイではなかったことがわかってきます。ちなみに中国ではアジサイを『綉球花（シゥチォウフア）』と書きます。「なんかこんな話ばっかりですね～」そうですね。でも私はこの源順の『紫陽花』の漢字がアジサイにピッタリマッチしていると思います。ですから中国にアジサイを輸出するときは、敢えて広告に『綉球花』ではなく『紫陽花（ズーヤンフア）』と表現していま～す。　普段見ているアジサイの花、実は花弁ではなくてガク弁です。「そんなこと知ってるよ、学校で習ったもん！」おっと、これは失敬、では本当の花はどんな花かな？「えっ？・・・」などと意地悪な質問は良くないので、花の写真を載せておきますね。花の房の中央部にたくさん並ぶ小さな丸いものが蕾。それが開くと写真下の青い星形の花が咲きます。（花が咲かない品種もあります）　アジサイ観賞で見事なのは静岡県掛川市の加茂荘花鳥園（旧加茂花菖蒲園）。もともとはハナショウブの本場ですが、独自に開発されたアジサイの素晴らしい品種がたくさん展示されています。近いところでは形原温泉あじさいの里が有名ですね。　アジサイはこの時期園芸店に行けば必ず置いてあります。とても栽培しやすいので、是非一度お試しください。執筆　愛知豊明花き流通協同組合　代表理事　永田　晶彦

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