広報とよあけ 平成30年4月1日号
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41“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。き  ぐとよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラムつくしつくしつくしよそおよそおよそおととのすすすセイヨウミツバチ 〜 人類への貢献度抜群の昆虫 〜 ミツバチからはハチミツ、ローヤルゼリー、プロポリス、ミツロウなどが得られ、これらは食料品、化粧品、医薬品、接着剤やワックスなど、さまざまなものに利用されています。また、直接的な物品だけではなく、他にも注目されている有益なことがあります。 リンゴやメロンなどの果物、カボチャやナスなどの果菜といった農産物を作るには、花が咲くだけではなく、受粉が必要です。受粉で活躍するのが昆虫で、このような貢献は送粉サービスと呼ばれています。ミツバチの送粉サービスによる農業生産の貢献度は高く、日本での経済効果を一千億円と試算した例があるほどです。ところが、ミツバチが突然巣からいなくなる蜂群崩壊症候群という現象が近年出ており、農産物の受粉が危惧されるようになってきました。その原因のひとつにはある種の農薬があげられています。果物や果菜が作れなくなる農薬となれば、本末転倒。ミツバチと農薬、両方の賢い利用を期待したいと思います。豊明市史(自然)執筆員         吉鶴 靖則ゲンゲ(レンゲ)で集蜜するセイヨウミツバチ 節気は春分を越え、日脚もずいぶん長くなってきました。そしてついに清明(せいめい)を迎えます。『暦書』(劉 (リュウチャオ)筆、中国古代)に「・・・為清明、時万物皆洁斎而清明、蓋時当、因此得名(清明に至れば万物が姿を現し、その名がわかる)」と例えられるほど、清明はとてもすがすがしい節気ですね。 さて、この時期花の名を挙げればいくらでも出てくるのですが、今回はボタンについてお話したいと思います。「え~!ボタンは1月にやったところじゃないの?」そうなんですが、それはカンボタンとしてでして…。「いよいよネタ切れかな?」まあ、そういわず少々お付き合いください。 ボタンは隋代あたりから中国で観賞されるようになり、唐代に日本に渡ってきたと考えられています。中国では国花的存在であり、この花なくして中国の美術・文学は成り立ちません。日本では『枕草子』(十世紀末)に「・・・露臺(ろだい)のまへ(前)にう(植)へられたりけるぼうたん(牡丹)などのをかしきこと」と登場し、以降文学・美術にたびたび表されてきました。 ところでこのボタン、古代は接ぎ木の技術がなく、すべてその種を撒いて増やしていました。しかも撒いた種はほとんど芽が出ず、この時代の人々は「この種はきっと〈牡〉(オス)に違いない」と思ったとか。また古代のボタンは多くが赤花であったともいわれており、〈牡〉の字に赤い色を表す漢字〈丹〉をつなげて〈牡丹〉と名付けられたとの説があります。 ボタンの有名な場所は島根県の大根島(だいこんじま)。中海に浮かぶそれほど大きくない島で、ボタン農園がひしめき、日本のボタンの約8割がこの島で生産されています。中国牡丹の聖地洛陽(らくよう)においても大根島はよく知られています。奈良県の長谷寺、名古屋市の徳川園も見事です。遠出の時間のない方は愛知豊明花き地方卸売市場緑地帯にも60種ほどのボタンが植えられているので4月中旬あたりにご覧いただけます。 ボタンの花はふわっと大きく、一輪の華麗さはバラなど他の大輪花をしのぐものがあります。ただし、開花寿命が数日なので、蕾が膨らみ色づいたら、毎日咲き具合を確認し、最高の観賞タイミングを見逃さないようにしましょう。執筆 愛知豊明花き流通協同組合 代表理事 永田 晶彦ボタン 島錦

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