広報とよあけ 平成30年1月1日号
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31“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。いにしえとよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラムつくしつくしつくしよそおよそおよそおととのすすす 人類が地球上に誕生するずっと以前の中生代(2億5,000万年〜6,600万年)すでにトンボの祖先は生存していました。(写真右) やがて人類が地球上に産声をあげた後、日本で弥生時代には水稲農耕が行われていました。当時の生活を今に伝える銅鐸にトンボなどが描かれています。古事記、日本書紀では「大倭豊秋津島・大日本豊秋津州」と表現し、この島を豊かな秋の島と呼んでいました。当時トンボを秋津=秋の虫と記しています。「トンボの歴史を知れば日本史が分かる」とも言われています。トンボは稲の害虫を捕食する益虫として、大切にされ、トンボに関わる民間伝承も数多く語り継がれています。また、「古事記」には雄略天皇の逸話「天皇の腕を噛んだアブをトンボが捕って飛び去った」ことから「勝ち虫」として武家社会では縁起のよい虫として冑の「前立て」など多くの武具に標され、民間でも「おまんとう」の鞍の図や商品の商標にも数多く使われ、現代に続くものも多くあります。 トンボは、生育環境と種の多様性から生きた環境指標としても科学的価値は高く、時に地球温暖化や環境変化のバロメーターとして現代社会における人類への貢献度も高いと考えます。いつの日にか、トンボたちが豊明の夕焼け空を飛び交う「黄昏飛翔」に出合えることを願っています。豊明市史(自然)編集委員           浅井 常典トンボから見た豊明の自然  古から共存してきたトンボとヒトその五どうたくおおやまとおおやまととよあきとよあきつ しまつ しまかぶとしるたそがれひしょうくら大正時代のおまんとう祭りの鞍中生代(白亜紀)の化石(資料提供 豊橋市自然史博物館(昆虫類の進化や地球の歴史を学ぶことができる施設))地球温暖化で北上中のタイワンウチワヤンマ(2013年8月28日地蔵池) あわただしかった年末が過ぎ、新年の空気を感じていたら「ぶるぶる」っと目の前には「寒」が待ち構えております。寒とはご存知の通り「小寒」から「大寒」までのひと月ほど、その名が示す通りすごく寒い節季です。こんな冷え冷えとした時期であっても花から目をそらさないのが花文化立国日本(仮称)のお家芸です。日本では同じ仲間であっても、寒いときに咲く品種や品種群に「寒桜」「寒椿」「寒牡丹」のような「寒・・」の冠をつけていますよね。「そうそう『寒梅』っていうのもありましたわよね?」「それは日本酒でしょ~?」そうですね、お酒の「寒梅」は有名ですが、冬咲きの梅を「寒梅」ということもありますから安心してください。それでは今回は「寒牡丹」をピックアップしてみましょう。 ボタンは中国河南省の原産で中国の国花(日本の桜同様非公式)で、9世紀初頭に遣唐使として中国に渡った空海が持ち帰ったとされています。開花期は主に4月中旬で、桜のソメイヨシノが散り終わった頃が見ごろで、その多くは4月末までに咲き終わります。つまりボタンはふつう春の一季咲きなのですが、中には春と冬の二回咲く品種もあり、これこそが「寒牡丹」と呼ばれる代物です。 カンボタンの枝先には秋になると花芽が着き始めます。この花芽は周りがだんだん寒くなっていくにもかかわらず、少しずつ膨らみ、年末から寒の入りにかけて自然に花を開かせます。寒に咲いた花は霜で傷みやすいので、花が開き始めたら菰(こも)で覆います。寒には花がゆっくり咲き、花は春よりも長く楽しめるんですね。 ちょっと手間だけど、菰の傘と寒牡丹の風情が相まって、とても風流な気分を味わえます。日本の花文化理解をさらに深めたい方、ガーデニングのレベルを高めたい方にお勧めの逸品です。寒牡丹の養生の様子(花が咲き始めたら実施)1月に咲いた寒牡丹「寒豊明」4月に咲いた牡丹「寒豊明(かんほうめい)」執筆 愛知豊明花き流通協同組合 代表理事 永田 晶彦

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