広報とよあけ 平成29年11月1日号

37/38

37　節季は霜降。いよいよ秋も深まってまいりました。この時期話題の花と言えば？　「うんうん、もうすぐクリスマスだし、ポインセチアよね！？」「何言ってんの。今のブームは新種のハボタンだってば！」って、皆さん大事な花を忘れてはおられませんか？「そういえば菊ってこの時期に咲くんだっけ？」　ふぅ（汗）やっと気が付いていただけましたね。今回の話題はそのキクです。キクが日本に渡ってきたのは8世紀中期あたりと言われています。これは8世紀初期までの歌を集めた万葉集に菊を詠った歌が一首もなく、かつ751年完成の日本最古の漢詩集『懐風藻』には菊が登場し、さらに892年に成立した『類聚国史』に延暦16年(797年)10 月､ 桓武天皇が菊花を賞し「このごろの 時雨の雨に 菊の花 散りぞしぬべき あたらその香を」と詠んだことが記されているからです。「え～っキクってもともと日本の花じゃないの～？皇室の花なのに」 そうなんです。キクはもともと中国から渡ってきた舶来品です。しかし、その後日本の皇室で愛好され、だんだん日本の文化に溶け込んで、ついには鎌倉時代後鳥羽上皇をして皇室の御紋にまで昇らせてしまったのです。　ところで皇室の菊の御紋は「十六八重表菊（じゅうろくやえおもてぎく）」（左）ですね。日本人なら誰でも知っている図柄です。　「なんとなく見慣れているので気にならなかったけど、キクってこんな形の花でしたっけ？」　でしょ。たぶん多くの皆さんが思い浮かべるキクは右の写真のような大菊ではないでしょうか？改めて見比べてみると菊の御紋は実際のキクとずいぶん違っていますね。　実は菊の御紋にそっくりなキクがあるんです。それがこの「一文字菊（いちもんじぎく）」別名御紋菊。御紋菊の異名は菊の御紋に似ているからつけられたようです。ただし御紋の花びらが上下八重になっているのに対し、一文字菊は一重です。　このキクの正統的な作り方は花びらを十四から十六枚にし、花びらそれぞれが重なり合わないように花房を平たくまん丸に咲かせるという流儀に則ります。　このほかにもキクにはいろいろな形のものがあり、また花の仕立て方も様々ですよ。　愛知豊明花き地方卸売市場には250種にのぼる古典菊が保存されており、今年も名鉄前後駅で開催される「変わり菊まつり」でその多くを展示します。日本中を駆けずり回っても他では見ることができないキクが見られますよ。執筆　愛知豊明花き流通協同組合　代表理事　永田　晶彦“とよあけ花マルシェ”とは、花の街として豊明市をPRするために花イベントや花関連商品などにより、花に親しむ暮らしをお届けするものです。毎月花情報を連載しますので、お楽しみください。そうこうかいふうそうるいじゅこくしつくしよそおととのすアオジ「青鵐」〜地上の暗い所で草の種など拾う〜　モズの高鳴きを耳にする頃になると冬鳥の姿があちこちに見られるようになります。勅使池水辺公園には、カモ類のマガモ・ミコアイサや猛禽類のオオタカ・ミサゴが、散策路沿いの林縁にはツグミ・ジョウビタキなど小鳥の仲間が多くみられます。　アオジはスズメより少し大きく全長16㎝位です。　雌雄を判別するときには図鑑の絵に頼りますが、掲載の写真は一緒に写っていますので容易に識別できます。　夏季に中部以北の山地の明るい林で繁殖し、秋になると南下します。南下するときには群れで飛来するために、昔はカスミ網によって多くが捕獲されていました。　昨今はカスミ網猟が禁止されたことにより、渡りの危険がなくなりました。　市内では、公園や庭に飛来し藪の中で「ツッ・ツッ」と地鳴き（鳥の鳴声の内さえずり以外のものをいう）、暗い木かげの地上で餌を取ります。冬季の餌は雑草の実・昆虫やクモなどを食べます。農作物を餌にしないため益鳥とされています。市史編集委員　　　　　　 　　　三浦　馨えきちょう　節季は霜降。いよいよ秋も深まってまいりました。この時期話題の花と言えば？とよあけ花マルシェコラムとよあけ花マルシェコラム勅使池畔の散策路で餌をついばむアオジ（左と右は雄中央は雌）　ところで皇室の菊の御紋は「十六八重表菊（じゅうろくやえおもてぎく）」　「なんとなく見慣れているので気にならなかったけど、キクってこんな形の花でしたっけ？」　でしょ。たぶん多くの皆さんが思い浮かべるキクは右の写真のような大菊ではないでしょうか？改めて見比べてみると菊の御紋は実際のキクとずいぶん違っていますね。す。ただし御紋の花びらが上下八重になっているのに対し、一文字菊は一重です。　このキクの正統的な作り方は花びらを十四から十六枚にし、花びらそれぞれが重なり合わないように花房を平たくまん丸に咲かせるという流儀に則ります。十六八重表菊大菊一文字菊

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です