アカマツやクロマツの枯れかかった幹に必ずといってよいほど生えるキノコですが、食べられるものではありません。表側は栗まんじゅうそっくりの色、形、大きさ、つやをしており、裏は白色でやはり栗まんじゅうそのものです。おいしそうなイメージなのでつい手が伸びてしまいそうですが、魚の干物が腐ったような変なにおいがします。 ヒトクチタケという名前の由来は、成熟すると裏側に一つの口が開くからです。サルノコシカケのような状態で、マツの枯れた幹にたくさん並んでくっついているものをもぎ取って写真に撮ってみました。 ヒトクチタケの中にはハネカクシという名前の昆虫が住んでいることが多く、まさに都会のカプセルホテルそっくりだと思います。しかし、ハネカクシという虫は強い毒を持っており、刺されるとハチよりも危険ですので注意してください。また食用として町で販売されているキノコでも、胞子を吸い込むことはよくありません。匂いはキノコの表側だけにしましょう。
市史執筆員 三津井 宏
※ヒトクチタケに入っている菌食性のハネカクシの仲間には強い毒を持つものは知られていません。
水田などで見られるハネカクシの仲間ではアオバアリガタハネカクシなどの危険な毒を出すものがいますので、
注意が必要です。