とよあけの自然 

オオヨシキリ ~田園で姿と鳴き声を聞きましょう~

オオヨシキリの画像

 4月下旬頃より市内で田植えがはじまり、2、3年耕作を放棄された田んぼに、葦(よし)の新芽がすくすく伸びています。5月になると、東南アジアで冬を過ごしたオオヨシキリが、休耕田やため池の葦の茂みをめざして飛来します。「ギョギョシーギョギョシー」と元気のいい鳴き声が休耕田から聞こえてきます。葦の茂みをしばらく眺めていると、オオヨシキリが茎の中ほどから少しずつ上に登り、茎に直立した姿勢で止まって、橙赤色の口の中を見せて鳴きます。
 5月下旬から6月にかけ巣作りがはじまり、地上または水面より0.8メートルから1.5メートルの高さのところに枯れ草を葦の茎に絡ませて作ります。この頃の囀(さえず)りが一番盛んで、夜間も鳴いていますが、7月に入ると次第に鳴き止み、下旬になるとほとんど聞かれなくなります。
 オオヨシキリは、昆虫を捕食するので農業にとっては有益な鳥で、ツバメと並んで農家から歓迎されます。

 

市史編集委員 三浦 馨