ムカデもヤスデも列車の連結ような、多数の胴節からなっています。一見、似ていますが、まったく別の種類です。 まず、ムカデは各胴節に1対の歩肢があり、動きがとても俊敏です。ゲジもムカデの仲間で、素早く走りまわります。すべて肉食で、大型のトビズムカデとアオズムカデは体長15センチにもなり、昆虫類やクモ類などを食べています。口器に強力な毒牙があり、人が咬まれると激痛がはしります。くれぐれも注意してください。 しかし、多くは土壌に棲み、人目にふれる機会はほとんどありません。体長1センチから3センチぐらいと小型で、人に危害を与えるようなことはまずありません。 ヤスデの歩肢は2胴節から4胴節にかけて1対、5胴節からはすべて2対になっています。動きも鈍く、体形も棒状をしています。すべて草食で、腐った落ち葉やキノコなどを食べています。身近な種類としては、田畑や草地にヤケヤスデとアカヤスデがすんでいます。ときに大発生し、嫌われ者としてマスコミにも取り上げられる事もあります。しかし、ミミズと同じく土壌の分解者です。
市史執筆員 緒方 清人