とよあけの自然 

タンポポ ~身近な植物を知ってみませんか~

タンポポの画像

 キク科の多年草でタンポポとして親しまれています。県下に以前最も多く見られたのはトウカイタンポポ(在来種)でした。今は総包外片(そうほうがいへん)が著しく反曲した気化種であるセイヨウタンポポが勢力を伸ばしています。
 タンポポは植物体全体に乳管が発達し、イヌリンというデンプンを含んだ白い乳汁を分泌します。このイヌリンは私たちが食べるゴボウの根に含まれている物質と同じです。
 トウカイタンポポは2~5月に花茎を伸ばして、先に多数の舌状花が集まった花をつけます。朝開花し、夕方閉じ、数日間繰り返します。しかし、セイヨウタンポポは条件が良ければ、年中花を咲かせます。セイヨウタンポポが増えている理由は、生育速度が速く、花粉がめしべの先端に飛んでこなくても、実が自然にできるからです。
 他に、花が白いシロバナタンポポが市内でも生育しますが、花・茎・葉を比較すると大形になっています。タンポポの花が終わり、白い冠毛が伸びて、熟した実を下端につけています。強く息を吹きかけると、パラシュートのように遠くに飛びます。さらに、葉をてんぷらで食べたり、根を炒(い)ってコーヒーにしたりして楽しむこともできます。

 

市史編集委員 小笠原 昇一