とよあけの自然 

絶滅危惧種 ~イチョウウキゴケ~

絶滅危惧種の画像

 

 水面に生息する珍しいイチョウウキゴケが市内の水田で見つかりました。絶滅危惧種としてレッドデータブックに報告されているもので、水田、沼、池などの埋め立て、休耕田の増加、並びに除草剤の利用増加、環境の悪化による水質汚染が本種の減少に強く影響しました。
 本種はコケ植物の苔(タイ)類で、イチョウの葉の形をした青味を混ぜた緑色の葉状体は長さ1~2センチ、幅4~8ミリ、密に二又状分岐を繰り返しています。葉状体の中央部に浅い溝があります。さらに、葉状体の裏面には多数の鱗片(りんぺん)がつき、紫色、長いリボン状になり、必ず上を向く仕組みになっています。
 愛知県では、山間部に多く記録されていますが、市内では栄町 在住の浅野守彦氏が榎山池南、境川橋南西、消防署南の3カ所の水田で見つけられました。田植えが終った初夏から秋まで、ウキクサに混ざり濃い緑色をした本種が生育しているので、注意深く探してください。なお、冬は姿を消しますから、次の年の田植え時期を待ってください。

 

市史編集委員 小笠原 昇一