とよあけの自然 

私が見つけたヒメコガネ ~500年前の大脇城~

私が見つけたヒメコガネの画像
 
 今から500年前の戦国時代、桶狭間の戦いの前夜、今川義元が入城したとされる沓掛城。この南方に大脇城と呼ばれる小さな城館がありました。大脇城は、戦国期から江戸時代後期の頃、この地を治めた梶川氏の居城だったといわれています。
 堀の土を調べると、中から緑色や黒光りする虫のハネが出てきます。この日は、大脇区の子ども会の皆さんが、土を割って古代の虫探しにチャレンジしたのです。
 「あった!」、「お母さん出たよ」。あっちでも、こっちでも歓声があがります。「虫探しって楽しいね」。こうして、わずか1時間ぐらいの間に、みんなの力で、100点をこえる昆虫が見つかりました。
 ヒメコガネやマメコガネは、この当時大脇城の周りに畑作地があったことを示しています。ノコギリカミキリやクロコガネなどは、大脇城の背後の山々がアカマツ林におおわれていたことを物語っています。
 こうして、土の中から見つかった虫の種類を調べることによって、はるか昔、そこに生えていた植物や地表面の様子、人々の暮らしぶりなどについての情報を得ることができるのです。

 

市史編集委員 森 勇一