とよあけの自然 

スギナ ~ ツクシの頭から粉が空中にたなびく~

スギナの画像

 

 シダ植物トクサ科の多年草(たねんそう)。全体の形状が木のスギによく似ている「菜(ナ)」ということで名前がつけられました。市内でも日当たりのよい堤(つつみ)や道ばたなどに多く、酸性土(さんせいど)を好みます。黒色をした地下茎が横に張り、節(ふし)からスギナ(専門的には栄養茎(えいようけい))を直立に地上に伸ばします。春早くツクシ(漢字で土筆、繁殖(はんしょく)のため胞子(ほうし)をつける胞子茎)のハカマをとり、フライパンで煎(い)って砂糖としょう油で味付けをして、おいしく食べることができます。
 ツクシの頭は多数の六角形が並び、その裏側に数個の胞子のう(嚢(のう):ふくろの意味)がついています。この胞子のうの薄い膜は破れやすく、胞子のうを一個つぶして平らな場所に置いてください。すると、緑の胞子の固まりが段々白くなり、動き出します。その理由は胞子には写真のように4本の弾糸(だんし)があり、湿ると胞子を巻きます。乾燥すると巻いていた弾糸が広がるので動き出します。ツクシの頭が古くなるとすき間があき、風が入ると薄い膜を破り、指でたたくと粉が空中を飛んでいくのは、弾糸が飛行機のつばさのようになるからです。一度試してください。

 

市史編集委員 小笠原 昇一